強剛母趾の手術についてです。

手術の内容や、入院期間、費用と、術後の経過についてまとめました。

強剛母趾とは?

強剛母趾(きょうごうぼし)は、足の親指(母趾)の付け根の関節が変形し、動きが制限される疾患です。

直接的な原因は、関節の過度な使用による軟骨の摩耗です。

ただ、軟骨の摩耗がなぜ起こるのか?は、今まで不明とされていました。

現在は、軟骨がすり減るメカニズムは解明されています。

症状が進行すると、歩行時の痛みや関節のこわばりが強くなり、日常生活に支障をきたします。

症状

強剛母趾の症状についてです。

  • 歩行時の痛み:特に母趾の付け根部分に圧力がかかると痛む。
  • 関節の可動域の低下:母趾を曲げ伸ばししにくくなる。
  • 骨の変形:関節の周りに骨棘(こつきょく)が形成され、さらに動かしづらくなる。
  • 腫れや炎症:関節に炎症が起こり、腫れや赤みが見られることがある。

治療法

今、一般的に行われている強剛母趾の治療法についてです。

保存療法(手術をしない治療)

  • 靴の選び方:つま先にゆとりがあり、硬い靴底のものを選ぶ。
  • インソールや装具の使用:関節への負担を軽減する特別なインソールを使用する。
  • 薬物療法:痛みや炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用する。
  • 理学療法(リハビリ):ストレッチやマッサージで関節の動きを維持する。
  • ステロイド注射:痛みが強い場合、一時的に炎症を抑えるための注射を行う。

ただし、これらは一時的な痛みの緩和には効果があるものの、根本改善はできません。

2025年現在では、強剛母趾の完治には歩行改善が必要と判っています。

歩き方の改善で完治しますので、殆どの場合、手術は不要です。

手術の種類

強剛母趾の手術の種類についてです。

骨棘切除術(関節形成術)

適応:比較的軽度の強剛母趾(グレード1~2)
方法:母趾の付け根にできた骨棘(トゲ状の骨)を削り、関節の動きを改善する手術。
メリット:比較的短期間で回復し、関節の可動域が向上する。
デメリット:軟骨の損傷が進行している場合、効果が限定的になる。

関節固定術

適応:重度の強剛母趾(グレード3~4)
方法:母趾の関節を完全に固定し、痛みをなくす手術。
メリット:長期的な痛みの軽減が期待できる。
デメリット:関節が動かなくなるため、足の動きが制限される。

術後の経過とリハビリ

  • 術後の固定:手術の種類によってはギプスや装具で固定する期間が必要。
  • リハビリ:関節の動きを回復させるためのストレッチや筋力トレーニングを実施。
  • 歩行の再開:通常、数週間~1か月程度で歩行が可能に。
  • スポーツ復帰:手術の種類によるが、約3~6か月で軽い運動が可能。

強剛母趾の手術費用

強剛母趾の手術の費用は、内容にもよりますが、片足で30万円です。
(保険適用後、3割負担で9万、1割負担で3万)

強剛母趾を手術で治す前に、歩行改善を

強剛母趾の手術は、最後の手段とし、まずは完治の実績が出ている歩き方の改善を検討して下さい。

保険適用で10万円前後にはできますが、歩行改善なら自分でもできます。

足の専門整形外科や、外反母趾や強剛母趾の改善に強く歩行指導もある専門院もあります。