「最近、足の裏や足の指の裏がジンジン痛む」
「つま先に体重をかけると痛い」
「歩くたびに足先に違和感がある」
・・・―そんなお悩みを抱えていませんか?
足の裏、特に足の指の裏やつま先の痛みにはさまざまな原因が考えられますが、その中でも、もっとも見逃されやすく、しかし非常に多いのがモートン病(Morton病、モートン神経腫)です。
足の裏や指の裏、つま先が痛む原因や、考えられる症状名(病名)、受診すべき病院の診療科目について、わかりやすく解説します。
足の裏・つま先・足指の裏が痛いときに考えられる主な疾患
足の裏や足指の痛みにはさまざまな原因があります。まずは代表的な症状名・病気をご紹介します。
1. モートン病(モートン神経腫)
モートン病は、中指と薬指の間にある神経が圧迫されることで起こる神経障害です。
歩くと足の指の付け根あたりがジンジン・ピリピリと痛み、特にハイヒールや先の細い靴を履いているときに悪化しやすい傾向があります。
- 足の裏のつま先側にしびれや焼けるような痛み
- 靴を脱ぐと痛みが和らぐ
- 女性に多い(特に40代〜60代)
2. 足底腱膜炎(そくていけんまくえん)
足底腱膜炎は、かかとから足指の付け根にかけて広がる腱膜が炎症を起こす病気です。
朝起きて最初の一歩が激しく痛むというのが特徴です。
- かかとや土踏まずの痛み
- 長時間立った後や運動後に悪化
- 中高年やスポーツ愛好家に多い
3. 中足骨骨頭痛(ちゅうそくこつこっとうつう)
足指の付け根にある中足骨に負担がかかって炎症や痛みが生じる症状です。
長時間の歩行や硬い地面を裸足で歩くと痛みが強くなる傾向があります。
- 足指のつけ根に圧痛
- 靴にインソールを入れると改善しやすい
4. 外反母趾(がいはんぼし)
親指が内側に曲がる変形により、足のアーチが崩れ、痛みやしびれが出ることがあります。
モートン病と併発しているケースも多く、注意が必要です。
- 親指の付け根の痛み
- 中足部に体重がかかりやすくなる
5. 痛風
尿酸が関節にたまり、急激に腫れて激しい痛みを引き起こす病気です。
突然、親指の付け根が赤く腫れてズキズキすることが特徴です。
- 激しい痛みと腫れ、熱感
- 男性に多く、食生活と関連
6. 糖尿病性神経障害
糖尿病の合併症として、手足の末端にしびれや痛みが出ることがあります。
左右対称に症状が出やすく、「足の裏全体の感覚が鈍い」という人は注意が必要です。
- チクチク、ジンジンする神経痛
- 糖尿病の既往歴がある場合に要注意
最も可能性が高いのは「モートン病」かもしれません
これらの症状の中で、足の指の裏やつま先の痛み、特に中指と薬指の間のしびれ・圧迫感がある場合は、「モートン病」の可能性が最も高いといえます。
モートン病のチェックリスト
- つま先にしびれや焼けるような痛みがある
- 靴を脱ぐと痛みが和らぐ
- ヒールやパンプスを履く機会が多い
- 中指・薬指の間に違和感がある
3つ以上当てはまる場合は、モートン病の可能性が高いと考えられます。
そのまま放置せず、早めに受診することをおすすめします。
どの診療科・病院に行けばいい?
足の裏やつま先の痛みでお悩みの場合は、整形外科の受診が第一選択です。
さらに詳しく診てもらいたい場合は、以下のような専門外来がある病院を探すとよいでしょう。
- 整形外科:一般的な診断・治療に対応
- 足の外科(足病外来):モートン病や外反母趾などに特化
- スポーツ整形外科:スポーツによる足の痛みにも詳しい
検査方法の一例
- X線検査(骨の変形を見る)
- エコー検査(神経腫の確認)
- MRI(詳細な画像診断)
モートン病の治療法
モートン病は、保存療法で改善するケースが多く見られます。
保存療法(手術以外の方法)
- 靴の見直し:幅広でクッション性のある靴を選ぶ
- インソールや足底パッド:神経への圧迫を軽減
- 鎮痛剤・湿布:一時的に炎症を抑える
- ステロイド注射:神経の炎症を局所的に抑える
手術療法
保存療法で効果がない場合は、神経腫の切除手術を行うことがあります。
日帰りでできることも多く、予後も良好とされています。
足の裏の痛みはモートン病の可能性が高い
足の裏や指の裏、つま先の痛みにはさまざまな原因がありますが、中指・薬指の間にしびれやジンジンする痛みがある場合は「モートン病」の可能性が高いです。
痛みを我慢していると悪化したり、歩行バランスが崩れて膝や腰にも負担がかかることもあります。
「おかしいな」と感じたら、早めに整形外科を受診し、痛み止めをもらいましょう。
モートン病を根本的に治すには、歩行改善(歩き方を変える)が必要です。