モートン病(Morton’s neuroma)は、足の中指と薬指の間(あるいは人差し指と中指の間など)の神経が、長期的な圧迫や刺激によって肥厚し、痛み

  • しびれ
  • 灼熱感

などを起こす疾患です。

特に女性に多く、ヒール靴や先の細い靴、長時間の立ち仕事、ランニングなどで前足部に負担がかかることで発症しやすくなります。

特徴的な症状として、足の指の付け根の痛み、しびれ、ジンジンする感じ、足裏に小石を踏んだような違和感などが挙げられます。

モートン病は自然治癒する?

結論からいうと、モートン病が完全に自然治癒するケースは殆どありません。

モートン病になる原因がハッキリしていますが、その原因は自然に解消するのは、なかなか難しいからです。

自然治癒が期待できるパターン

  • 発症初期で、神経の肥厚が軽度の場合
  • 発症の明確な原因が特定でき、それを取り除ける場合
  • 体重の減量や仕事環境の改善など、足裏への負荷を減らせる条件が整う場合

このようなケースでは、しばらく安静にすることで症状が引くことがあります。

しかし痛みの原因の「神経腫」が形成されてる流れが解消しないと、自然治癒はしません。

保存療法と手術療法の限界

モートン病の一般的な治療は「保存療法」と「手術療法」に大きく分かれます。

保存療法

  • インソール(足底板)やパッドで足裏の負荷を分散する
  • 履物の変更(幅広・ヒールの低い靴)
  • 消炎鎮痛剤の内服や外用
  • 神経ブロック注射

これらで症状の軽減が期待できますが、「根本的に神経への圧迫が起きている動作や体重配分の癖」が変わらない限り、再発・慢性化するのが現状です。

手術療法

  • 神経腫切除術
  • 神経周囲の減圧術(靱帯切離術)

手術では神経腫そのものを取り除く、または神経を圧迫する靱帯を切ることで、痛みの原因を直接的に解消します。

ただし、手術には後遺症(しびれ・感覚鈍麻など)が残るリスクがあり、術後も歩行や体重配分の癖が変わらないと再発する可能性があります。

今のモートン病の治療の主流は「歩行改善」

近年、保存療法や手術に頼らず「歩行改善」によってモートン病の痛みを軽減・再発予防する方法が注目されています。

これは特に、靴やインソールだけでは改善が不十分な人、手術は避けたい人、再発を防ぎたい人にも有効です。

モートン病の神経腫が消失し、完治の実績を出せているのは歩行改善のみです。

モートン病の本質的な原因は、前足部への過剰負荷

モートン病は、足指の付け根の神経に繰り返し圧迫がかかることで起こります。

この圧迫の大きな要因は「歩き方」や「姿勢」にあります。

上半身の重心が前に偏っている、前傾姿勢が多いなどで、体重が足の先に乗りやすい人が、足の痛む部分で強く蹴り出す癖があるとモートン病になります。

歩く度に痛む部分に体重を乗せて打撃を加えることになり、炎症を引き起こします。

その炎症が、神経腫を形成し、痛みを発生させます。

こうした歩行パターンを改めないと、どれだけ靴やインソールを工夫しても、根本的な圧迫は解消しないのです。

歩行改善が効果を出している理由

従来の治療法(インソール・薬・手術)は、症状に対する「対処療法」が中心でした。

一方、歩行改善は、症状を引き起こしている「原因動作」そのものを修正する点が大きな違いです。

例えるなら、締め忘れている水道の蛇口があるとすると、

  • 水がもれている蛇口の下にバケツを置くのが「保存療法」
  • 水が漏れている蛇口をを交換するのが「手術」
  • 蛇口を正しく閉める習慣をつけるのが「歩行改善」

といった関係に近いです。

実際に、歩行指導を行っている整骨院や専門プログラムでは、数週間から数か月の指導で痛みが軽減した例が報告されており、インソールや手術に比べて「再発しない」「自分で管理できる」メリットがあります。

モートン病が自然治癒するケースは、ほとんどありません

モートン病が自然治癒するケースは、殆どありません。

たまたま歩き方を変えることができた場合のみです。

神経腫が形成されてしまうと、自然に消えることは稀です。

保存療法(インソール

  • 注射など)や手術療法には一定の効果がありますが、根本原因である歩行パターンや体重配分が変わらない限り、再発・慢性化することになります。

    近年注目されている「歩行改善」は、前足部への過剰な負荷や神経圧迫を減らし、神経の炎症を鎮め、足の機能を回復させることで、症状改善・再発予防に効果を発揮しています。

    モートン病は自然治癒はしませんので、保存療法などで痛みを抑えているうちに歩行改善に取り組んで下さい。