強剛母趾(きょうごうぼし)は、親指の付け根の関節が硬くなり、痛みや可動域の制限が生じる疾患です。
多くの人が「マッサージをすれば改善するのでは?」と考えますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
強剛母趾にマッサージが有効なのか?どうかを解説します。
強剛母趾の原因と症状
強剛母趾は、主に関節の変形や軟骨の摩耗が原因で発生します。
症状としては、以下のようなものが見られます。
- 親指の付け根の痛み
- 関節の可動域制限
- 骨の変形(骨棘形成)
- 歩行時の違和感や痛み
では、この症状に対してマッサージは効果的なのでしょうか?
マッサージの効果は?
マッサージは筋肉のコリをほぐし、血流を促進する効果が期待できます。
しかし、強剛母趾の痛みの原因は主に「関節の変形」と「軟骨の摩耗」です。
これに対してマッサージが直接的に有効であるという科学的根拠はほとんどありません。
一時的な痛みの緩和は可能?
強剛母趾の痛みは、関節周囲の炎症や硬直した筋肉の影響を受けることがあります。
マッサージによって周囲の筋肉の緊張を和らげることで、一時的に痛みが軽減される可能性はあります。
ですが、痛みが出ている原因は、関節に出来た神経腫(しんけいしゅ、神経のかたまり)が原因です。
マッサージによって、その神経の「かたまり」が刺激され、余計に痛みが発生する場合があります。
関節の変形はマッサージで治せる?
残念ながら、一度変形した関節をマッサージだけで元に戻すことはできません。
強剛母趾は進行性の疾患であり、変形が進むと軟骨がさらにすり減り、症状が悪化することが一般的です。
強剛母趾を改善する治療法
では、強剛母趾の改善にはどのような治療法が推奨されるのでしょうか?
それは、
- 足の現状を把握し、
- 強剛母趾の原因をつきとめ
- その原因を取り去る
治療法です。
強剛母趾の原因は?
強剛母趾の原因は、
- 加齢による関節の摩耗
- 過度なスポーツや歩行の負担
- 扁平足や足のアライメント異常
- 遺伝的要因
などと言われていますが、違います。
本当の原因
強剛母趾の原因は、
です。
足の過剰回内とは、足が過剰に内側に倒れこんでいる症状です。
- 足が内側に倒れこむことにより、親指付近に体重が乗り過ぎます。
- その状態で、親指を反らせたまま歩くと、強剛母趾で痛むMTP関節に負担が掛かります。
- そのうち、MTP関節付近に炎症が起こり、
- 神経腫ができて、
- 強剛母趾になる
という流れです。
外反母趾は、マッサージでは治りません
強剛母趾に対するマッサージは、一時的に筋肉の緊張を和らげる効果はあるかもしれませんが、根本的な治療にはなりません。
むしろ、過度なマッサージによって炎症を悪化させるリスクもあります。
強剛母趾を改善するには、足の過剰回内になる体の使い方を探り、過剰回内を解消する必要があります。