足の親指の付け根が突然痛くなったときに考えられる原因と見分け方についてです。

さまざまな症状が考えられますが、概ね下記のような症状のいずれかに当てはまると思います。

痛風(高尿酸血症による急性関節炎)

特徴

  • 突然、足の親指の付け根(母趾の中足趾節関節)が激しく痛む。
  • 夜間や早朝に発症することが多い。
  • 腫れや赤み、熱感を伴うことがある。
  • 数日~1週間ほどで自然に軽快するが、繰り返し発症する。
  • 尿酸値が高い(7.0mg/dL以上)ことが原因。

見分け方

  • 突然の激痛(触れるだけで痛い)。
  • 赤く腫れ、熱を持つ。
  • 中年男性、飲酒・高プリン体食の習慣がある人に多い。

外反母趾(がいはんぼし)

特徴

  • 足の親指が小指側に曲がり、親指の付け根が突出して痛む。
  • 慢性的な痛みがあるが、靴による圧迫などで急激に痛むこともある。
  • ハイヒールや幅の狭い靴を履く人に多い。
  • 扁平足の人に多い。

見分け方

  • 親指の付け根の骨が突出し、足の形が変形している。
  • 靴を履いたときに痛みが強くなる。(裸足だと痛みが軽減)
  • 女性に多い。

関節リウマチ

特徴

  • 朝、関節がこわばる(手足の指に多い)。
  • 両足同時に痛みが出ることが多い(左右対称性)。
  • 慢性的に進行し、関節の変形を伴うこともある。

見分け方

  • 朝のこわばりが30分以上続く。
  • 左右対称の関節痛がある。
  • 女性に多く、年齢とともにリスクが増す。

扁平足(へんぺいそく)による足底筋膜炎

特徴

  • 土踏まずのアーチが低下し、歩くと足の親指の付け根に痛みが出る。
  • 長時間歩いた後に痛みが悪化しやすい。
  • 土踏まずやかかとにも痛みを感じることがある。

見分け方

  • 土踏まずが低く、足裏全体が接地している。
  • 歩行時や立ち仕事の後に痛みが出る。
  • インソールを使うと痛みが軽減する。

強剛母趾(きょうごうぼし)

特徴

  • 足の親指の関節(母趾の中足趾節関節)が硬くなり、動かしにくい。
  • 歩くときに親指の付け根が痛む。
  • 進行すると、親指の関節の動きがほとんどなくなる。
  • 関節のすり減り(変形性関節症)が原因。

見分け方

  • 親指を反らすと痛い(指の動きが悪い)。
  • 歩行時やつま先立ちで痛みが出る。
  • 中高年に多い。

親指を反らすと痛い場合は、強剛母趾の可能性が一番高いです。

足の親指の付け根が突然痛い場合の原因の見分け方のまとめ

足の親指の付け根が突然痛くなった場合に考えられる原因と見分け方をまとめてみました。

症状名 特徴的な痛みの出方 見分けるポイント
痛風 突然の激痛、赤く腫れる 高尿酸値、夜間に発症しやすい
外反母趾 靴を履いたときに痛む 親指が変形、突出部が痛む
関節リウマチ 朝のこわばり、左右対称の痛み 慢性的、女性に多い
扁平足・足底筋膜炎 歩行後に痛む 土踏まずが低い
強剛母趾 親指が硬く、反らすと痛い 関節の動きが悪い、中高年に多い