モートン病(モートン神経腫)は、足の指の付け根部分にある神経が圧迫されて起こる病気です。
特に中指と薬指の間に多く見られ、長時間歩いたりヒールを履いたりすると、足の裏に鋭い痛みやしびれが生じます。
典型的な症状は
「電気が走るような痛み」
「足の裏に小石を踏んだような違和感」
「指の間のしびれ」
です。
モートン病で起こる典型的な症状
痛みやしびれが主な症状であり、初期は断続的でも、進行すると歩行困難になるほど強くなります。
「足の付け根が腫れているように感じる」と表現する方もいますが、実際に見た目で大きく腫れることは少ないのが特徴です。
腫れはよくある症状なのか?
モートン病で見た目に明らかな腫れが出ることは稀です。
ただし、神経が肥厚することで「内部的な腫れ」や「腫れぼったさ」を感じることがあります。
腫れが強く見える場合は、別の病気を疑う必要もあります。
モートン病で「腫れ」を感じる理由
モートン病で「腫れ」を感じる理由についてです。
神経そのものの肥厚(腫れ)
神経が圧迫を受け続けると、その部分が炎症を起こして肥厚します。
これが「神経腫」と呼ばれる状態で、内部的に腫れたように感じる原因です。
周囲組織の炎症による腫れ感
足裏にかかる負担が大きいと靭帯や筋膜も炎症を起こし、腫れや違和感につながります。
見た目には分かりにくいものの、「足がパンパンに張っている」と感じる方もいます。
見た目の腫れが少ないのになぜ腫れぼったく感じるのか
神経や組織の炎症は外見に出にくく、本人だけが「詰まった感じ」「腫れた感じ」を自覚することが多いのです。
これがモートン病特有の特徴といえます。
腫れを伴う場合に考えられる他の病気
モートン病は腫れることはあまりありません。
明らかに腫れている場合は別の病気の可能性もあります。
痛風・偽痛風との違い
痛風は尿酸結晶が関節に沈着し、急激に赤く腫れて強烈な痛みを伴います。
モートン病とは異なり、発作的に起こるのが特徴です。
関節炎やリウマチとの違い
関節炎やリウマチでは、複数の関節が慢性的に腫れ、朝のこわばりや全身症状を伴うこともあります。
局所的に起きるモートン病と区別されます。
外反母趾や捻挫との違い
外反母趾では親指の変形や関節の腫れが明らかであり、モートン病のような指間のしびれは少ないです。
捻挫は外傷による急な腫れと内出血が特徴です。
モートン病との見分け方チェックリスト
- 足の指の間にしびれや焼けるような痛みがある → モートン病の可能性大
- 急に赤く腫れて熱を持つ → 痛風など他疾患の可能性
- 見た目に強い腫れがある → モートン病単独では少ない
腫れを感じたときのセルフケアと対処法
腫れを感じたときのセルフケアと対処法です。
靴の選び方・インソール調整
幅が狭い靴やヒールは避け、足指が広がる靴を選びましょう。
インソールで横アーチをサポートすると、神経への圧迫が和らぎます。
足の休養とアイシング
歩行や立ち仕事が続いたときは、足をしっかり休ませることが大切です。
炎症が強いときはアイシングで冷やすと腫れや痛みの軽減につながります。
ストレッチや歩き方改善のポイント
ふくらはぎや足裏のストレッチは血流を促し、症状の悪化予防になります。
また、体重をかかと寄りに分散させる歩き方を意識すると、前足部の負担を軽減できます。
腫れが強いときは医師に相談を
腫れが強いときは医師に相談が必要です。
受診を検討すべきサインは、
- 腫れが急激に強くなった
- 赤みや熱感を伴う
- 歩行が困難なほど痛い
です。
これらがある場合はモートン病以外の疾患も疑われるため、早めの受診が必要です。
整形外科で行われる診断と治療
X線やMRIで神経肥厚の有無を確認します。
治療は保存療法(靴やインソール調整、薬、注射)が基本ですが、重症例では手術も検討されます。
モートン病の最新治療アプローチ
最近では「歩き方の改善」による根本治療が注目されています。
上半身の重心を正しく使い、足裏の負担を減らすことで、腫れや痛みを繰り返さないようにする取り組みです。
モートン病は見た目に明らかな腫れは少ない
モートン病では神経の肥厚や炎症により「腫れたように感じる」ことがありますが、見た目に明らかな腫れは少ないのが特徴です。
もし強い腫れや赤みがある場合は、痛風や関節炎など他の病気も考えられるため注意が必要です。
症状が続くときは早めに整形外科を受診しましょう。
整形外科で「モートン病」と診断された場合は、上半身の重心のズレと、地面を打ち付る歩き方が原因なので、早めに姿勢と歩行改善に取り組みましょう。