モートン病は「足の指の付け根(中足骨頭部)に起こる神経の圧迫・炎症」によって発生する病気です。
一般的には30〜50代の女性に多いとされ、ハイヒールやパンプスなど、前足に負担がかかる靴を履くことが大きな原因のひとつと説明されることが多いです。
そのため「男性にはあまり関係のない病気」と思われがちですが、実際には男性でもモートン病になるケースは少なくありません。
実は、モートン病の男女共通で誰にでもなる病気で、世間一般が信じている「靴」が原因ではないからです。
今回は男性でもモートン病になる理由を明らかにし、モートン病の治し方について解説したいと思います。
男性がモートン病になる背景
男性でもモートン病になりやすい人がいる理由についてです。
運動
ランニング、サッカー、バスケットボール、登山など「繰り返し前足に強い負荷がかかるスポーツ」をする男性は、モートン病を発症しやすい傾向があります。
特に、着地の際に前足部に強い衝撃が集中する走り方をしている場合、神経が圧迫されやすくなります。
体格や体重
一般的に男性は女性より体重が重く、前足部にかかる荷重も大きくなります。
そのため、重心のバランスが崩れていると、体重が前足に偏ってモートン病の原因になりやすいと考えられます。
足の構造や歩行の癖
偏平足や開帳足(足の横アーチが崩れる状態)を持つ男性は、足裏の神経が圧迫されやすくなります。
また、歩き方の癖によって特定の指の付け根に負担が集中することも発症につながります。
モートン病の症状
男性でも女性と同じように、代表的な症状は「足指の付け根(特に第3趾と第4趾の間)の痛みやしびれ」です。
- 歩くと小石を踏んでいるような感覚がある
- ランニング中に足の指の付け根がズキっと痛む
- 足指の間がジンジンしびれる
- 長時間立ち仕事をすると前足部が痛む
男性の場合、革靴や安全靴を履いた時に痛みが強くなるケースが多いです。
また、スポーツ時の着地で症状が悪化し、「疲労骨折では?」と誤解されることもあります。
モートン病の本当の原因、治し方
モートン病の根本原因は「前足に過剰な負担がかかる状態で、痛みを感じるところだけを使う歩き方」です。
モートン病になる方は、仕事での体の使い方の影響や普段の体の動かし方のクセにより、上半身の重心バランスにズレが生じています。
そうすると、体全体でバランスを取ろうとしますが、特に足裏でバランスをとっている場合、過剰に体重が乗っている部分が出来ます。
過剰に体重が乗っているというのは誰にでもあることですが、モートン病になる方は、さらにその部分で地面を打ち付けるような歩き方をしています。
そのため、歩く度に足裏に衝撃が加わり、炎症が起き、神経腫が生成されて、痛みを感じるようになります。
なので、モートン病を改善するには、
- どのように上半身のバランスが崩れているのか?を確認し、
- 重心バランスを均等にし、
- その上で地面を打ち付けるようなクセがある歩き方を変更する
ということが必要です。
こうした姿勢の改善、歩行の改善は一時的な痛みの緩和だけでなく、再発防止にもつながります。
モートン病は女性に多いとされますが、男性でも発症する病気
モートン病は女性に多いとされますが、男性でも十分に発症する病気です。
原因は上半身の重心バランスの不具合と、痛む部分だけを使った歩き方だからです。
歩く度に酷くなるので、放置すれば慢性化し、痛みが長期化するため、早期の改善が重要です。
「モートン病=女性の病気」と決めつけず、男性も自分の足の状態を見直すことが健康な歩行の第一歩となります。