小指の付け根が内側に曲がって痛みが出る「内反小趾(ないはんしょうし)」。
外反母趾と同じように、多くの人が悩む足の変形のひとつです。
ネットやドラッグストアでは「内反小趾が矯正できる」とうたうインソールが販売されていますが、実際にはインソールだけで治るわけではありません。
この記事では、内反小趾の矯正インソールの種類や特徴、代表的な商品、そして根本改善のために必要な「内反小趾の治し方」について詳しく解説します。
内反小趾とは?
内反小趾とは、小指の付け根の関節が内側に変形してしまう状態を指します。
見た目では小指が親指方向に傾き、小指の付け根が靴に当たって痛みや炎症を起こすことがあります。
原因としては以下のようなものが挙げられます。
- つま先の狭い靴やヒールによる圧迫
- 足の横アーチが崩れ
- 遺伝
ただ、これらは本当の原因ではなくて、根本的な原因は別にあります。
根本的な改善が出来ない限り、内反小趾は治りません。
インソールは根本原因を治す際にサポート的な位置づけで役に立ちます。
内反小趾の矯正インソールにはどんなものがある?
市販されている内反小趾用のインソールには、大きく分けて以下の3タイプがあります。
アーチサポートタイプ
足の土踏まずや横アーチを支える構造になっており、重心が小指側に偏らないよう補正するタイプです。
足裏の骨格を正しい位置に導くことで、内反小趾の進行を防ぐ効果が期待されています。
【代表商品】スーパーフィート(Superfeet) All Purpose Support Low Arch
米国の足病医学に基づいて開発された高性能インソールブランド「スーパーフィート」の低アーチ向けモデル。
過剰回内を抑え、足裏のアライメント(骨配列)を整えることで、小指側への荷重を軽減します。
使い方:
既存の靴の中敷と入れ替えて使用。
ウォーキングシューズやスニーカーなどに適しています。
謳われている効果:
・足裏アーチをサポートして安定性を向上
・小指の付け根への圧迫を軽減
・歩行時の体重移動をスムーズに補助
クッション&矯正ハイブリッドタイプ
クッション性を持たせながら、横アーチを持ち上げるように設計されたタイプです。
痛み軽減と姿勢補正の両方を目的としています。
【代表商品】StepCraft(ステップクラフト) インソール
StepCraft(ステップクラフト)は、足病医が設計した「ファンクショナルインソール」。
スーパーフィートを開発したのと同じ会社が上位版として販売してるインソールです。
土踏まずから小指側までを立体的に支え、足の過剰な内側倒れを抑制します。
外反母趾・内反小趾・扁平足など幅広い足トラブルに対応する高性能タイプです。
使い方:靴に合わせてカットし、インソールとして差し替えて使用。
日常使いからスポーツまで幅広く対応。
謳われている効果:
・小指側への荷重を減らす
・足のアーチバランスを正常化
・膝や腰への負担を軽減
ジェルインソール・パッドタイプ
小指の付け根や外側の圧迫を和らげるためのクッション性重視タイプです。
矯正効果は限定的ですが、痛みの軽減や靴擦れ防止には有効です。
【代表商品】内反小趾用シリコンパッド(Amazon・楽天など)
柔らかいジェル素材で、小指の外側に貼り付けて使用するタイプ。
洗って繰り返し使える商品も多く、コスパが高いのが特徴です。
使い方:小指の付け根や外側に貼って使用。
靴の中でも使用可能。
謳われている効果:
・靴との摩擦や圧迫を軽減
・小指の変形進行を抑える
・痛みやタコの予防
矯正インソールだけでは内反小趾は治らない理由
上記のようなインソールを使用することで、「痛みが軽くなった」「歩きやすくなった」という声は多くあります。
しかし、矯正インソールだけで内反小趾が“治る”わけではありません。
インソールは、あくまで「足の機能を正しい方向に誘導する補助的なツール」であり、本当の原因まで改善はしてくれません。
本当の原因は「歩行のクセ」
内反小趾の根本的な原因は、小指側に重心が偏る姿勢と、小指だけで蹴り出す歩き方にあります。
内反小趾の方は、上半身の偏った姿勢により崩れた重心バランスを、無意識のうちに足で戻そうとしています。
そのため、足が過剰に内側へ倒れ込む「過剰回内」になり、足裏での体重分散に偏りが出来ます。
小指側に体重が乗った状態で、小指だけで蹴り出す歩き方をしていると骨が変形していくのです。
なので、どんなに高性能なインソールを入れても、根本改善には至りません。
内反小趾を治したい場合、矯正インソールは補助、歩行改善が本質
内反小趾の矯正インソールは、痛み軽減や進行予防には非常に役立ちます。
特に「スーパーフィート」や「ステップクラフト」のようなアーチサポート型は、足裏のバランスを整える上で効果的です。
しかし、インソールだけで内反小趾が治るわけではありません。
根本改善のためには、足のアーチを保つ歩き方・靴選び・筋肉の使い方を見直すことが必要です。
もし痛みが強い場合や変形が進行している場合は、早めに専門家へ相談し、自分の足に合った改善方法を見つけましょう。