「最近、小指の付け根が痛い」
「小指が親指側に曲がってきた気がする」

・・・その症状は内反小趾のサインかもしれません。

SNSやネットで紹介されているエクササイズを一生懸命続けているのに「良くならない」「むしろ痛みが強くなった」と感じる人は少なくありません。

その理由は、内反小趾の本当の原因を間違えているケースが多いためです。

内反小趾以外の症状では効果があるエクササイズでも、悪化させる場合があります。

内反小趾が改善するエクササイズ、悪化するエクササイズについて解説します。

あまり知られていな真実。内反小趾は「足指だけの問題」ではない

一般に「内反小趾の原因は靴」や「遺伝」と言われますが、それだけでは説明しきれないことが多いです。

実際には、姿勢や普段の体の使い方(上半身の重心位置)が大きく関係しています。

内反小趾が起こるメカニズム

内反小趾は次のような流れで進行します。

  1. 姿勢や普段の体の使い方に問題があり、上半身の重心位置がずれる
  2. 足裏でバランスを戻そうとして、足裏でバランスを取ろうとする
  3. 内反小趾の場合は、小指側で体を支えようとする
  4. 小指側に体重が過剰にかかる
  5. その状態で小指だけで蹴り出すような歩き方を続けると、
  6. 中足骨(ちゅうそっこつ)の間が小指の外側に向かって広がり、
  7. 結果として小指が親指側へ倒れ、内反小趾が発症・進行する

つまり、外から見える「小指の変形」は最終的な結果。

根本的な原因は、身体全体の重心と歩き方の2つにあります。

内反小趾になる人、ならない人

2つの要素が必要なので、上半身の重心がズレていても、小指で蹴り出す歩き方をしていない方は発症しません。

また、親指側に重心が乗り、親指付近で蹴り出す方をする方は外反母趾になります。

よくあるエクササイズが逆効果になる理由

ネットでよく紹介される次のようなエクササイズは、一見正しく見えても内反小趾を悪化させることがあります。

  • グーパー運動(足指の開閉)
  • タオルギャザー(タオルを足指で寄せる運動)
  • ゆびのば体操・ひろのば体操
  • 手で足指を広げるストレッチ
  • 中足骨のグリグリ回し(中足骨周辺のマッサージ)

なぜこれらが問題になるのかというと、これらは「足指自体をより強く使わせる」動作を促すためです。

もし上半身の重心がずれたままで、足裏のバランスが小指側に偏っていると、これらの運動はむしろ小指側への負担を強化してしまい、変形を進める可能性があります。

つまり、原因を取り除かないまま局所だけを強化しても、構造的な悪循環は止まりません。

これが

「頑張って運動しているのに治らない」大きな理由

です。

内反小趾を本当に改善するために必要なこと

内反小趾の治療・改善には次の3つが不可欠です。

  1. 姿勢分析(上半身の重心位置の評価)
  2. 足圧分析(歩行時・立位時の足裏荷重の評価)
  3. 歩き方の改善(特にかかとを使う適切な歩行)

これらを組み合わせて初めて、内反小趾の根本原因にアプローチできます。

足の指だけを鍛えても、上半身の重心がずれていては再発や悪化を招きます。

おすすめの改善法:「ゆるかかと歩き」

内反小趾の改善に効果的なのは、姿勢と歩き方を整えることができる方法です。

その代表がゆるかかと歩きです。

ゆるかかと歩きの効果

  • 上半身の重心が自然と整う
  • 足裏の荷重が小指側に偏らなくなる
  • 蹴り出しは親指側へ自然と移行する
  • 中足骨の歪みや広がりが徐々に改善する

重要なのは、単に“かかとを使う”だけでなく、姿勢分析と足圧分析を行った上で、個々の癖に合わせた歩行指導を受けることです。

自己流で始めるより、専門家の指導を受けた方が確実に効果が出やすく、再発もしにくくなります。

どのくらいで改善するのか?

多くの臨床例から、正しい姿勢と歩き方が身につけば、次のような改善が期待できます。

痛み

痛みは、体重が乗った状態で、蹴り出す歩き方をしているために、痛む部分の神経とその周りが炎症を起こしている状態です。

体重を乗せず、そこだけで蹴り出す歩き方を改善すれば、炎症が収まります。

炎症が収まるまでの時間は個人差がありますが、おおよそ1週間程度で軽減することが多いです。

足の形(変形)

小指の下の中足骨(ちゅうそっこつ)を、小指の外側に押し出す力がなくなれば、徐々に元通りになります。

こちらも個人差がありますが、約半年で角度が大幅に改善することが多いです。

3か月やって改善がみられない治療や施術は中止で大丈夫です

世の中は善人ばかりではなく、「長く通院させてお金をもらう」ことを目的にわざと、効果の無い治療や施術を続けるところもあります。

先ほど述べたように内反小趾は、1ヵ月以内には痛みが軽減し、足の形は3ヵ月くらいから形が変わり始めます。

3か月通院しても変化が無い場合は、効果がない治療、施術なので、中止しても大丈夫でです。

内反小趾の改善を目指すなら、まずは「姿勢」と「歩き方」を見直す

内反小趾の改善を目指すなら、まずは「姿勢」と「歩き方」を見直すこと。

足指だけを無理に鍛えるエクササイズは一時的には効果を感じることがあっても、根本原因を放置すると逆効果になるリスクがあります。

もし、これまで色々試しても良くならない、痛みや変形を本気で治したい、手術はできれば避けたい、という方は、姿勢分析と足圧分析を受けた上で「ゆるかかと歩き」の指導を受けることをおすすめします。

正しい歩き方に変えれば、痛みは短期間で改善し、足の形も半年程度で戻りやすくなります。