モートン病(モートン神経腫)は、足の中指・薬指や人差し指・中指の間にある神経が圧迫されて肥厚し、しびれや激しい痛みを生じる病気です。
保存療法(インソール・薬・注射など)で改善しない場合、手術が検討されます。
モートン病の手術についてまとめました。
主な術式名
- 神経腫切除術(Neurectomy):神経腫そのものを切除して取り除く方法。最も一般的です。
- 神経減圧術(Neurolysis / Nerve decompression):足趾の靱帯(横中足靭帯)を切開し、神経への圧迫を解除する方法。神経自体は残します。
- 内視鏡的神経減圧術(Endoscopic decompression):小切開で内視鏡を用いて行う低侵襲手術。
手術できる病院
モートン病の手術は、以下のような病院で行われます。
- 整形外科(特に足の外科を専門とする病院)
- 足専門外来を設けている大学病院や大規模病院
- スポーツ整形に強いクリニック
一般的な町の整形外科では保存療法が中心で、手術が必要な場合は専門病院への紹介となるケースが多いです。
手術の後遺症はあるのか?
- 神経を切除する場合、切除した神経の支配領域に感覚の鈍さ(しびれ・知覚麻痺)が残ることがあります。
- 傷口の瘢痕による違和感、神経の再生による「断端神経腫」が新たな痛みを起こすこともあります。
- 足のアーチや歩行バランスが改善されないままでは、再発や別部位の痛みが生じる可能性があります。
入院日数と復帰までの目安
- 日帰り手術や1泊入院が多い
- 術後は2週間ほどで抜糸
- 通常の歩行は2〜4週間程度で可能
- スポーツや長時間歩行などの復帰は1〜2か月程度が目安
手術で完治するのか?
神経腫を取り除くことで、痛みは軽減するケースが多いです。
しかし「完治」とはいえず、再発や別の趾間に新たな症状が出る可能性があります。
モートン病の根本原因は歩行のクセや足の負担のかかり方にあるため、歩行改善がなければ完全には治らないとされています。
モートン病を治すには手術だけでは足りないのが現状
モートン病の手術には「神経腫切除術」や「神経減圧術」があり、神経腫を取り除くことで症状は改善します。
入院は短期間で済み、数週間〜1か月で日常生活に戻れるケースが多いです。
しかし、手術後には感覚麻痺や再発といった後遺症の可能性もあり、手術だけで「完治」とはいえません。
根本的に痛みを再発させないためには、足に過剰な負担をかける歩き方を改善し、正しい歩行習慣を身につけることが必要です。