強剛母趾(きょうごうぼし、Hallux Rigidus)は、母趾(足の親指)の付け根である第一中足趾節関節(MTP関節)の変形性関節症の一種であり、関節の可動域が制限され、痛みや腫れが生じる疾患です。
この疾患の治療には、保存療法として装具(オーソティック)が広く使用されます。
強剛母趾の治療に用いられる代表的な装具とその特徴、効果について詳しく解説します。
カーボン製インソール(リジッドインサート)
特徴
- 炭素繊維(カーボンファイバー)や硬質プラスチックで作られた薄型のインソール
- 硬くてしなりが少なく、母趾の過度な動きを抑制
- 靴の中敷きとして使用し、既存の靴にも適用可能
効果
- 関節の動きを制限: 母趾の背屈を抑え、痛みを軽減
- 体重移動をスムーズに: 母趾を使わずに歩行できるよう補助
- 靴のフィット感を損なわずに使用可能: 簡単に日常生活で適用
モートン伸展板(Morton’s Extension)
特徴
- 母趾の下に配置される厚みのある補強板
- 足底板(オーソティック)に組み込むことが可能
- 母趾の付け根部分を持ち上げるデザイン
効果
- 母趾関節の負担を軽減: 可動域を制限し、痛みを和らげる
- 歩行時の母趾の過度な曲がりを防ぐ: 炎症の悪化を防止
ロッカーボトムシューズ
特徴
- 前足部が湾曲した靴底を持つ靴
- 歩行時に自然な体重移動を促す構造
- 硬めのソールで足の動きを制限
効果
- 母趾の可動域制限: 歩行時の母趾の背屈を減らし、痛みを軽減
- スムーズな歩行をサポート: 自然な推進力を促進
強剛母趾用トゥスプリント
特徴
- シリコンや医療用プラスチック製の装具で、母趾を固定
- 日中・夜間用のタイプがある
効果
- 関節の安定化: 痛みを軽減し、姿勢矯正
テーピング・バンデージ
特徴
- 伸縮性のあるテープで母趾を固定
- 手軽に使用できる
特注オーソティック(オーダーメイドインソール)
特徴
- 足の形状に合わせて作られる特注インソール
その他の補助具
- ゲルパッド: 柔らかいシリコン製で関節を保護
- フットブレース: 足全体を固定
装具の効果
強剛母趾の治療では様々な装具が使用されます。
痛みを和らげたり、悪化を防ぐ効果はありますが、根本的な改善には繋がりません。
強剛母趾の原因は、足裏での体重分散の不具合と歩き方に問題があるからです。
ですので、最近の治療では装具治療よりは、歩行改善での治療が成果を上げています。
装具で痛みを和らげている間に歩行改善に取り組むのが強剛母趾完治への道
強剛母趾の治療に使用される装具には、症状の程度に応じた様々な種類があります。
- 軽度: テーピング、ゲルパッド
- 中程度: カーボンインソール、モートン伸展板
- 重度: 特注オーソティック、フットブレース
適切な装具を選択し、痛みや症状を抑えている間に、歩行改善に取り組み完治を目指しましょう。