足の裏にピリッとした痛みやしびれ・・・それは、モートン病かもしれません。

モートン病は、特に第3・第4足趾(薬指と中指の間)の中足骨間にある神経が圧迫されることによって生じる神経障害です。

整形外科に受診すると「インソールを作りましょう」と言われますが、結構高価です。

健康保険が適用されるとしても、インソールを作って効果があるのかどうか?

また、中敷きを使うならどれが良いのか?について、ご紹介します。

モートン病にインソールは有効か?

結論から言うと、インソールはモートン病の痛みを緩和するのに有効とされています。

ただし、あくまでも「対症療法」の一つであり、完治させるための根本治療ではありません。

モートン病になる原因は、

  1. 上半身の重心バランス崩れが、
  2. 足の過剰回内を生み出し、
  3. 足裏の体重分散が一部(特に前足部)に偏り、
  4. 普段からその部分で打ち付けるような歩き方

をしているためです。

歩く度に、体重を乗せて痛む部分を打ち付けるので、加齢と共に症状が重くなります。

インソールはこの「足への負担の偏り」を正しい位置に分散させ、神経への圧迫を軽減する役割を果たします。

ですが、地面を打ち付ける歩き方を直さないと、完治することはありません。

インソールの効果には以下のようなものがあります:

  • 横アーチをサポートして神経の圧迫を軽減
  • 体重のかかるバランスを整えて足裏への負担を緩和
  • クッション性によって衝撃を吸収
  • 長時間歩行時の疲労軽減

歩行の癖や体重のかけ方に根本的な問題がある場合は、インソールだけでは限界があります。

インソールはどこで作れるのか?

インソールには大きく分けて「既製品」と「オーダーメイド」の2種類があります。

1. 既製品(市販のインソール)

ドラッグストアや靴専門店、インターネットで購入できます。

比較的安価ですが、自分の足にぴったり合うとは限りません。

2. オーダーメイド(カスタムインソール)

整形外科、義肢装具士が常駐する病院、整骨院、足病専門の靴店などで作製可能です。

足の形状、歩行のクセ、体重のかけ方などを計測して、その人専用のインソールを作ります。

オーダーメイドは価格が高め(3万~10万)です。

健康保険は適用されるのか?

オーダーメイドインソールは、条件を満たせば健康保険が適用されます。以下のような条件があります。

健康保険が適用される条件:

  • 医師の診断書があること(装具装着指示書)
  • 整形外科での治療が継続していること
  • インソールが治療用装具として必要と認められた場合

健康保険が適用されると、費用の7割(または8〜9割)が負担され、自己負担は1〜3割程度になります(保険証の種類による)。

また、「療養費支給制度」を利用すれば、インソール代をいったん全額支払ってから後日、保険組合に申請して還付を受けることも可能です。事前に病院や義肢装具士と相談するとスムーズです。

おすすめのインソールとその効果

1. スーパーフィート(Superfeet)

アメリカ発の高機能インソール。硬めのヒールカップとアーチサポートが特徴。

モートン病においては、横アーチのサポートにより神経の圧迫を軽減する効果が期待されます。

  • 期待される効果:足部の安定化、横アーチの補正
  • 価格帯:6,000〜8,000円

2. フォームソティックス・メディカル(Formthotics Medical)

整形外科や一部の認定治療院で処方されるインソール。

医師や義肢装具士が足型を元に熱成形して仕上げるため、足との一体感が高く、痛みの軽減に効果的です。

  • 期待される効果:足圧分散、足関節のアライメント補正
  • 保険適用:可能性あり

3. ドクターショール 疲れにくいインソール

市販品として人気の高いモデル。中敷きタイプでクッション性が高く、前足部への衝撃をやわらげる。

  • 期待される効果:歩行時の衝撃吸収、足の疲労軽減
  • 価格帯:2,000円前後

残念ながらインソールでは完治しない理由

インソールはモートン病の「痛みの軽減」には有効ですが、「完治」を目的とした治療法ではありません。

その理由は、モートン病の根本原因が「歩行のクセ」にあるからです。

足先に体重を乗せて、地面を打ちつけるような歩き方が原因です。

インソールでは、体重の分散には役立ちますが、打ち付ける歩き方の改善には繋がらないのです。

このような歩き方のクセを放置したままでは、どれほど高性能なインソールを使っても、再発や慢性化のリスクは残ります。

歩き方改善は体全体の不具合も解消

また、そもそも体重が乗りすぎることは、体の重心バランスが偏っている証拠です。

体の重心バラン図の崩れは、足の痛みだけでなく、膝や股関節、腰痛など体全体に影響を及ぼしています。

姿勢と歩き方の改善は、モートン病の治療だけではく、膝痛・股関節痛・腰痛の改善にもつながりますので、姿勢改善と歩行改善には取り組まれることをお薦めします。

インソールは、モートン病の痛みの一時的に緩和するだけ、根本的な改善には歩行改善が必要

モートン病の症状に悩まされている方にとって、インソールは痛みの軽減に非常に有効な手段です。

特にオーダーメイドのインソールは、足への負担を分散し、症状の悪化を防ぐ効果があります。

ただし、インソールはあくまでも「補助的な対処法」であり、歩行フォームや生活習慣の改善がなければ根本治療には至りません

医師や歩行指導の専門家と連携しながら、インソールの活用と歩き方の見直しを並行して進めることが、モートン病克服への近道となるでしょう。