モートン病は、足の指の間を通る神経が圧迫され、炎症を起こすことで生じる神経障害です。

この病気は、特に中指と薬指の間、または薬指と小指の間に発生し、歩行時の激しい痛みやしびれを伴います。

モートン病の治療は、初期段階では保存療法が中心となりますが、すべて一時的な痛み止めの対応になります。

また、整形外科では最終的には手術を勧められますが、これも根本的な原因を取り除かないため、再発する可能性があります。

最近では、モートン病の治療法で実績が出ているのは歩行改善になってます。

モートン病の一般的な治療法と、なぜ歩行改善が根本改善に繋がるのか?を解説します。

一般的な整形外科で行われる保存療法

モートン病など足が専門でない一般的な整形外科でのモートン病の治療は、保存療法がメインになります。

保存療法は、「痛みの緩和」が主流で、痛みを和らげるだけで、モートン病の進行を抑えることはできません。

目先の痛みを緩和することが目的になります。

靴の選択とインソール

窮屈な靴やハイヒールは、足の指の付け根に過度な圧力をかけ、神経を圧迫します。

したがって、幅の広い、つま先に余裕のある靴に履き替えることで痛みを緩和することが出来ます。

また、オーダーメイドのインソール(足底板)を使用することで、足のアーチを適切にサポートし、足の指の付け根にかかる圧力を分散させることができます。

特に、メタタルザルパッドと呼ばれる盛り上がった部分を持つインソールは、神経への圧迫を軽減するのに役立ちます。

ただし、根本的な原因を取り除くわけではないので、症状は徐々に進行します。

局所麻酔薬・ステロイド注射

痛みが強い場合、患部に局所麻酔薬やステロイドを注射することがあります。

局所麻酔薬は一時的に痛みを和らげ、ステロイドは神経の炎症を抑える効果があります。

この治療は即効性がありますが、繰り返し注射すると組織を脆くする可能性があるため、頻繁に行われることはありません。

また、痛みを麻痺させているだけで、進行を止めるわけではないので、歳と共に痛みはよりひどくなります。

物理療法

アイシング(冷却療法)は、急性期の炎症と痛みを和らげるのに有効です。

また、超音波治療や電気療法も、血行を改善し、組織の治癒を促す目的で使用されることがあります。

これらもモートン病の進行を止めることはできず、痛みを緩和するだけになります。

手術療法

保存療法で改善が見られない場合や、症状が重度で日常生活に支障をきたす場合には、手術が検討されます。

手術の主な目的は、圧迫された神経を解放するか、切除することです。

ただ手術も、痛みの原因である神経腫(しんけいしゅ)を取り除くだけになります。

神経腫が出来る原因を取り除くことはできませんので、再発の可能性はあります。

神経剥離術(神経周囲の組織の切除)

この手術は、神経を圧迫している周囲の組織(靭帯など)を切除し、神経への圧力を解放することを目的とします。

神経自体は温存されるため、術後の回復が比較的早いとされています。

神経切除術

圧迫された神経そのものを切除する手術です。

この手術を行うと、痛みはなくなりますが、神経が切除された部分の感覚は失われます。

術後の再発リスクは低いですが、感覚喪失という副作用があるため、慎重に検討されるべき治療法です。

最小侵襲手術(MIS)

近年では、より小さな切開で行われる最小侵襲手術も行われています。

これは、術後の痛みが少なく、回復が早いという利点があります。

根本的な改善には、姿勢と歩行改善が必須

モートン病の治療法を列挙しましたが、これらの治療法は一時的な痛みの緩和や、神経への直接的なアプローチが中心です。

しかし、モートン病の根本的な原因は、

上半身の重心バランスの崩れ

痛む部分で地面を打ち付けるような歩き方

です。

上半身の姿勢に偏りがあり重心バランスが崩れているために、前足に体重が乗りすぎます。

その状態で、地面を打ち付けるような歩き方をするために、炎症が起こり神経腫が発生するのがモートン病の原因です。

ですので、この歩き方を改善しないかぎり、モートン病が治ることはありません。

歩行改善がモートン病の治療で完治の実績がある

痛み止めの注射を毎月打って、モートン病が治った、とするブログもあります。

ですが、注射を止めると痛みは再発します。

それでは意味がありません。

モートン病の根本改善には、上半身の重心バランスと歩き方を変える必要があります。