「足の裏がジンジン痛い」
「つま先にしびれがある」
「歩くと足の指の付け根が痛い」

・・・—そんな症状に悩んでいませんか?

もしかすると、それは「モートン病」の可能性があります。

病院に行く前にできる「モートン病のセルフチェック方法」について詳しく解説します。

モートン病とは?

モートン病(Morton’s neuroma)とは、足の第3・4趾(中指と薬指の間)にある神経が圧迫・刺激されて炎症や肥厚を起こす病気です。

この部位の神経は足の横アーチの間を通るため、圧迫されやすい構造になっています。

原因

上半身の重心バランスの崩れが、足への体重の分散の不具合につながり、足裏の一部に体重が乗りすぎる状態を引き起こします。

足裏の一部に体重が乗りすぎている状態で、地面を打ち付けるクセのある歩き方をするのが原因です。

歩く度に足を地面に打ち付けているので、徐々に炎症が起こり、神経腫が肥大します。

中年以降に発症するのは、長年の積み重ねの結果です。

また、中年以降は体重が増えやすいです。

体重が増えると、打ち付ける強度が上がりますので、それも発症の引き金になります。

セルフチェック1:典型的な症状の確認

まずは、自覚症状からモートン病の可能性をチェックしてみましょう。

以下の項目に該当するものが多いほど、モートン病の疑いが強まります。

  • 足の中指と薬指の間に「しびれ」や「ピリピリ感」がある
  • 歩くと中指・薬指の付け根が「ズキン」と痛む
  • 指の間に「小石が入っている」ような異物感がある
  • 靴を脱ぐと痛みやしびれが和らぐ
  • 足の指を押すとピンポイントで痛い場所がある

セルフチェック2:徒手テストを試してみよう

マルフット(Mulder’s)テスト

手順:

  1. 椅子に座った状態で、片方の足を持ち上げます。
  2. 足の中足部(つま先の付け根)を左右から軽くつまみます。
  3. 同時に、中指と薬指の間を押すように圧迫します。

判定:

  • 痛みやしびれが強くなる
  • クリック音(カチッという音)がする

このような反応があれば、モートン病の可能性があります。

※クリック音は神経腫が靭帯の下を通過する際に起こる音です。

セルフチェック3:靴と生活習慣の見直し

モートン病は、生活習慣や足に合わない靴の影響で悪化することが多いため、以下の項目もチェックしてみましょう。

  • ヒールの高い靴や幅の狭い靴をよく履いている
  • 最近、足の裏にタコやマメができやすくなった
  • 立ち仕事や歩く時間が多い
  • ランニングを日常的にしている

セルフチェック4:足の構造を確認

モートン病の発症には足の構造(特に過剰回内)が大きく関係します。

以下の方法でアーチの状態を簡単に確認できます。

横アーチのチェック方法

  1. 足の裏を地面につけ、立った状態になります。
  2. 中指と小指の付け根を触り、弓状に膨らみがあるか確認。
  3. もし指の付け根が横一直線に近い形になっている場合は、横アーチの低下が疑われます(=開張足)。

セルフチェック5:他の疾患との違い

モートン病に似た症状を持つ疾患もあります。

以下のような違いも意識して確認してみましょう。

疾患名 主な症状 見分け方
足底腱膜炎 かかと付近の痛み 起床時に強い痛み、歩くと改善
中足骨頭痛 前足部の痛み 場所が違うだけで原因は同じ
外反母趾 親指の付け根が内側に変形 指の変形が目に見える
坐骨神経痛 足のしびれ、腰から足にかけての痛み 痛みが太ももやふくらはぎにも及ぶ

セルフチェックでモートン病が疑われたら

セルフチェックでモートン病の疑いが高い場合は、整形外科や足専門クリニックを受診することをおすすめします。

以下のような検査で診断が確定されます。

  • 問診・触診
  • 超音波検査(エコー)
  • MRI検査(必要に応じて)

治療は保存療法が基本で、靴の見直し・インソールの使用・足底筋のストレッチなどが行われます。

症状が重い場合は、ステロイド注射や手術が選択されることもあります。

まずは痛みを緩和し、その後、歩行改善の指導があることが一般的です。

ただし、歩行改善の指導がない整形外科が大半です。

なので、その場合は、整形外科で痛み止めを処方してもらい、歩行指導の専門整体で歩行改善に取り組みます。

モートン病は、セルフチェックだけでは、痛みを止めることはできません

モートン病は、初期であれば、歩き方の改善だけで症状が大きく緩和される病気です。

しかし放っておくと、歩く度に神経が慢性的に損傷し、改善まで時間が掛かることになります。

早めのセルフチェックと適切な対処が、健康な足を保つ第一歩です。

「もしかして・・・」と感じたら、今回紹介したチェック方法を試し、歩行改善の専門医の指導を受けましょう。