外反母趾といえば、一般的には足の親指(母趾)の付け根であるMTP関節(中足趾節関節)が外側に曲がる症状を指します。
ところが、親指の第一関節、すなわちIP関節(母趾間節)が外側に曲がってしまうケースもあります。
親指の第一関節(IP関節)が曲がる症状は、「IP外反母趾」と呼びます。
通常の外反母趾とは異なり、足の付け根よりも指先側で変形が起きるため、靴の当たりやすい箇所や歩行の使い方に直接影響が出やすいのが特徴です。
IP外反母趾の具体的な症状
IP外反母趾の症状は、見た目の変形だけではなく、足の使い方や生活の質に直結します。
- 親指の第一関節(IP関節)が外側に「くの字」に曲がる
- 赤く腫れたりタコやウオノメができやすい
- 慢性的な炎症や痛みを繰り返す
- 親指の爪が変形したり巻き爪を併発することもある
一般的に言われている発症のメカニズム
整形外科や足病学で説明されるIP外反母趾の原因は、主に次のようなものです。
- 遺伝的要因:足の骨格や靭帯の柔らかさなどは遺伝的要素が強く、家族内で発症が多いケースが報告されています。
- 靴の影響:幅の狭い靴やハイヒールによって、足指が圧迫されることで変形が進行します。
- 扁平足や開張足:足裏のアーチが崩れることで、母趾に余計な負担がかかりIP関節の外反を助長します。
- 外傷や関節リウマチ:関節炎や怪我により、IP関節に変形や不安定性が生じます。
従来は「靴+遺伝+足の形態異常」が主因とされ、治療法も「足への直接的な処置」に偏ってきました。
最近注目されている新しい考え方
近年は、従来の説明だけでは理解できない症例も多く、身体全体の重心バランスとの関係が指摘されています。
- 上半身の重心位置のズレがあるため、
- 足裏への体重分散が不均衡になり
- 足の内側に体重が乗りすぎ、
- 加えて、歩く際にIP関節付近ばかりを使って、蹴り出す歩き方をしているために
- IP関節付近の骨が外側に広がっていく
というメカニズムになります。
つまり、「上半身の重心のズレ」があり、「足のIP関節付近で蹴るクセ」があると、IP関節に常に横方向のストレスがかかり、徐々に変形していくという考え方です。
上半身の重心のズレはよくあることですが、「足のIP関節付近で蹴るクセ」が加わってIP外反母趾になる、ということです。
この視点では、足だけを見ても根本改善は難しいです。
歩行指導のない普通の整形外科や、インソール、グーパー運動などによる筋力アップ、普通の整骨院、鍼灸院では症状が全く改善しないのはこのためです。
姿勢改善・歩行改善の指導のある整形外科や整体院では、実際に姿勢や歩行の改善によって進行を止めたり痛みを軽減できる症例も多数報告されています。
関西で姿勢・歩行指導で外反母趾の改善実績が多数ある南花台田辺整骨院・整体院の口コミをご確認下さい。
一般的に言われている治し方
IP外反母趾の治療は「保存療法」と「手術療法」に分けられます。
保存療法
- 幅広で柔らかい靴に変える
- パッドや装具で関節の摩擦を減らす、指の位置を矯正する
- テーピングで母趾を内側に戻す
- インソールで足裏のアーチをサポートする
- 足指のストレッチや筋トレ(タオルギャザー、グーパー運動など)
これらは痛み軽減や悪化予防には有効ですが、変形を元に戻す効果は乏しいです。
悪い整体院の中では改善しないことが判っていても、継続して通ってもらうために、これらの効果のない施術を進めてくる場合がありますので、ご注意下さい。
手術療法
変形や痛みが強い場合は、IP関節の矯正手術が検討されます。
骨を切って角度を修正したり、関節を固定する術式があります。
術後のリハビリや再発リスクもあり、積極的に受ける人は多くありません。
日帰りで手術はできますが、歩くまでに1週間、座り仕事への復帰まで1ヵ月、歩き回る仕事への復帰は3ヵ月程度かかります。
完治の実績がある「姿勢と歩行改善」
近年注目されているのは、体全体の姿勢と歩き方を正すことで、IP外反母趾の進行や痛みを改善する方法です。
姿勢改善のポイント
- 骨盤を立て、背骨をまっすぐに保ち、頭の位置を正すことで下肢の荷重を均等にする
- 足裏の三点(かかと・小趾球・母趾球)で体重を受ける
歩行改善のポイント
- 母趾球(MTP関節)からしなやかに蹴り出す
- 大股ではなく自然な歩幅で歩く
- 足指に力を入れず、足裏のアーチをバネのように活用する
この方法を取り入れることで、
- IP関節の変形進行が止まる
- 炎症や痛みが軽減する
- 歩き方が安定し、腰や膝の不調も改善する
といった報告もあります。
南花台田辺整骨院・整体院の実績では、
- 痛みが無くなるまで1週間程度、
- 足の角度が元に戻るまで、約半年
(あなたの回復力によります)
足の親指の第一関節が外側に曲がるのは、IP外反母趾
IP外反母趾は足の親指の第一関節が外側に曲がる症状で、靴や遺伝、足裏アーチ低下などが原因とされてきました。
しかし最近では、上半身の重心ズレ → 足裏荷重の不均衡 → IP関節で蹴る歩行という全身の問題が関与していると注目されています。
従来の保存療法や手術は対症療法にとどまることが多い一方、姿勢と歩行の改善によって根本改善や再発予防につながることが分かってきました。
つまり、IP外反母趾の克服には「足だけを見るのではなく、身体全体のバランスを整える」視点が不可欠です。