外反母趾の手術で日帰りが可能なDLMO(デルモ)手術。
DLMO手術(Distal Linear Metatarsal Osteotomy:遠位線形中足骨骨切り術)は、軽度〜中等度の外反母趾に適した手術法の一つです。
ただ、2025年現在では、外反母趾は手術せずに治すことができます。
手術の内容
DLMO手術は、以下のような外反母趾の患者に適しています。
- 外反母趾角(HVA)が15〜30度程度(軽度〜中等度)
- 親指の付け根(第1中足趾関節)に痛みがある
- 保存療法(インソール・テーピング・ストレッチ)では改善しない
- 重度の変形や関節炎がない
手術の方法
DLMO手術は以下の手順で行われます。
- 局所麻酔または腰椎麻酔を使用
- 親指の付け根(第1中足骨遠位部)を2〜4cm程度切開
- 第1中足骨の遠位部を斜めにカットし、骨の位置を調整
- チタン製のスクリューやピンで固定
- 皮膚を縫合し、ギプスや特殊な術後シューズで保護
手術時間
約40分〜1時間
手術後の管理
創部の感染予防のため、数日間は抗生剤を使用し、足を心臓より高くして腫れを抑えます。
入院期間
入院日数の目安は1〜3日程度ですが、日帰り手術が可能な施設もあります。
リハビリ期間と回復の流れ
術後経過 | リハビリ内容 |
---|---|
1〜2週間 | 松葉杖歩行(かかと着地のみ) |
2〜4週間 | 専用シューズ歩行開始(つま先を保護) |
4〜6週間 | 徐々に通常の靴へ移行(軽い荷重開始) |
2〜3ヶ月 | 通常歩行可能(長時間の歩行もOK) |
3〜6ヶ月 | スポーツ復帰(ランニングやジャンプ可) |
手術費用(保険適用の場合)
項目 | 費用(3割負担) |
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手術代 | 5〜10万円 |
入院費(1〜3日) | 3〜5万円 |
リハビリ費用 | 1〜2万円 |
その他(術後シューズなど) | 0.5〜1万円 |
手術・入院の合計でおおよそ8万円~15万円。
その後のリハビリ通院も含めると20万円くらいは必要です。
DLMO手術のリスク・後遺症
主な合併症・後遺症です。
- 骨癒合不全(骨が正しくくっつかない)
- ピンやスクリューの違和感
- 感染症のリスク
- しびれや感覚異常(神経障害)
- 外反母趾の再発(不適切な靴の使用でリスク増)
手術前の生活に戻れるまでどれくらいか?
DLMO法に限らず、外反母趾手術に全般で骨がかたまるまでには約1~2か月かかります。
術後1カ月間は専用の靴を履く必要があります。
また、術後約2日間は痛みがあり、1週間は自宅で安静が必要です。
2週目からは、デスクワークはできるようになります。
営業など歩き回る仕事や立ち仕事に復帰できるようになるまでに、およそ2~3か月くらいの期間がかかります。
DLMO手術は、軽度〜中等度の外反母趾に適した手術法
DLMO手術は、軽度〜中等度の外反母趾に適した手術法で、健康保険適用のため自己負担額は5万〜15万円程度です。
術後のリハビリや適切な靴の選び方が再発予防の鍵となります。
手術を検討されている場合は、専門医に相談し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。