「モントー病」はおそらく聞き間違い、覚え間違いで、正しくはおそらく「モートン病(Morton’s neuroma)」のことです。
モートン病の主な症状、歩行改善を中心にした最新の保存療法の考え方と具体的な対処法、受診の目安をわかりやすくまとめます。
モートン病とは(簡単な補足)
モートン病は足の前方、特に第3–4趾間にある趾(し)神経が圧迫・肥厚して痛みやしびれを生じる疾患です。
中足骨頭部(つま先寄りの骨の付け根)付近での神経障害により、歩行時に前足部の痛みを訴えることが多く見られます。
主な症状(来院動機として多いもの)
- 足の前方、特に第3・4趾間(中指・薬指)付近の「焼けるような痛み」「鋭い刺すような痛み」「ピリピリとしたしびれ」。靴を履いて歩くと痛みを感じやすい
- 歩いているときに「小石を踏んだような違和感」「靴の中で何かが当たっている感じ」が繰り返される
- 安静にすると楽になることが多く、靴を脱ぐと軽快する場合がある。ハイヒールや先の細い靴で悪化しやすい
なぜ「歩行改善」が注目されているか(理論的背景)
モートン病は繰り返す局所的な圧迫や摩擦が神経へ負担をかけることで生じると考えられます。
痛み止めやクッションで一時的に楽にするだけでは、根本原因である「前足部への過剰な荷重」や「誤った接地のクセ」が残るため、再発しやすいという問題があります。
そこで、歩行そのもの(荷重のかけ方、接地の仕方)を評価して修正するアプローチが、保存療法の重要な一部として注目されています。
歩行改善の具体的な内容(臨床で行われていること)
- 評価
立位時や歩行時の荷重分布、足関節の可動域、足指の機能、歩幅や接地位置を観察・計測します - 靴の見直し
ハイヒールや先の細い靴を避け、前足部に余裕のある幅広い靴、適度なヒール高さ(低め)を推奨します - インソール/パッドの使用
中足骨間の圧迫を減らし荷重を分散するためのメタタルサルパッドやカスタムインソールを併用します。短期的な疼痛軽減に有効ですが単独では根治しません - 歩行再教育(リトレーニング)
「前足で打ち付けない」意識づけとして踵からの接地(heel-to-toe)を意識した歩行や、重心のやや後方・中足部への荷重分散を実践します。鏡や動画でフィードバックを行うことが多いです - 痛みの短期対処
必要時はブロック注射やステロイド注射で痛みを抑え、その間に歩行改善を集中的に行うことがあります
モートン病の治し方や治療にいてのまとめ
保存療法(靴の変更、インソール、注射、理学療法)は有効性が報告され、まず試みられます。
歩行改善を明確に組み入れた臨床報告や治療実践は増えています。
インソールや靴の変更、痛み止めなどでは完治はしません。
そのため、靴・インソール・理学療法・注射と組み合わせた総合的な保存療法の一部として歩行改善を取り入れるのが現実的です。
受診の目安・注意点
日常生活に支障が出る痛み、夜間の強い痛み、保存療法を続けても改善しない場合は整形外科を受診してください。
別の病気でないか?の診断が可能です。
手術(神経腫切除など)の適応や詳細な治療方針は医師と相談のうえ決定します。
「モントー病」は症状が当てはまるなら、モートン病である可能性が高い
「モントー病」は誤記の可能性が高く「モートン病」を指していると考えられます。
主症状は前足部の焼けるような痛みやしびれで、ハイヒールや前足に負担がかかる靴で悪化します。
最近は「歩行改善」によって前足部への負荷を減らすアプローチが臨床で注目されていますが、単独でのエビデンスは限定的なため、靴やインソール、物理療法、注射などと組み合わせる保存療法の一部として導入するのが現実的です。
気になる症状があれば整形外科での診断をおすすめします。