モートン病(モートン神経腫)は、足の中指と薬指の間、または人差し指と中指の間で神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす病気です。

特に、歩くと足裏に電気が走るような痛みや、つま先にピリピリ感を感じる方が多いです。

現在では、モートン病は歩行改善での治療が主流になっています。

歩き方の改善は非常に実績の出ているアプローチであり、再発防止にもつながります。

その理由と具体的な歩き方のポイントを解説します。

なぜ歩き方でモートン病になったり、悪化したりするの?

モートン病の痛みの原因は「神経の圧迫」です。

具体的には、中足骨頭部(足のつま先側の骨)で神経が締め付けられることで炎症が起きます。

では、なぜその神経の圧迫が起きるか?ですが、圧迫が起こる背景には、足だけでなく、体全体の問題があります。

  • 上半身の重心位置のズレがバランス崩れを起こす
  • 崩れたバランスが原因で足裏のつま先部分に体重が乗る
  • その状態で、地面を打ち付けるような歩き方のクセがある

つまり、前足部への過剰な荷重と、地面を打ち付けるような歩き方が神経圧迫を引き起こすのです。

逆に言えば、正しい歩き方で荷重バランスを改善すれば、モートン病の症状緩和や再発防止が期待できます。

歩き方の改善でモートン病が完治の実績は多数

モートン病は、炎症が強い急性期を過ぎれば、神経圧迫の原因を取り除くことが治療の本質です。

薬や注射で炎症を抑えても、原因である歩行バランスを改善しなければ再発します。

実際、整形外科で手術をした方でも、「歩き方を改善しなかったために再発した」というケースがあります。

したがって、正しい歩き方を習得することは、治療と再発防止の両方に効果的なのです。

一般的に言われてますが意味のないトレーニング

モートン病で言われていることで間違っている情報が氾濫しています。

商品やサービスを売りたいために、効果がないのにあるかのように表現する業者がいます。

ただ、モートン病には効果がない、だけで他の症状には有効な場合はあります。

その辺は、ご注意下さい。

タオルギャザー

「タオルを床に敷き、足指で手前にたぐり寄せる運動。足指の筋力を強化し、アーチを保ちます。」という運動です。

アーチを保っても、打ち付けるような歩き方が改善されなければ、炎症は発生しますので、あまり意味はありません。

かかと歩き・つま先歩き

「かかと歩きで前足部の負担を減らす感覚を体に覚えさせます。」というアドバイスもあります。

体重のバランスが崩れているのが問題なので、足だけの問題だと、今度はかかと部分に問題が発生します。

なので、まずは上半身のバランスを整えることが先決です。

つま先歩きは、余計に悪化させるだけなのでご注意下さい。

裸足歩行(室内で)

「床の感覚を感じながら、かかとからつま先への体重移動を練習します。」

裸足だろうが靴を履いていようが、地面を打ち付ける歩き方の問題なので、あまり関係ありません。

注意点

急性期(強い痛みがある時期)は歩き方改善だけで治そうとしないこと。まずは炎症を抑える治療が必要です。

モートン病の改善には姿勢と歩き方改善が必須です。

モートン病は、神経圧迫が起きる歩き方を続ける限り、再発リスクが高い病気です。

薬や手術も一時的な解決にはなりますが、根本改善のカギは歩行の見直しです。

「自分の歩き方が正しいかわからない」「独学でやるのは不安」という方は、歩行改善指導を専門にしている整形外科や、整体院に相談すると安心です。