モートン病は、足の指の付け根、特に第3趾と第4趾の間に生じる神経の圧迫や炎症によって起こる病気です。
一般的には「足の指の間がしびれる」「歩くと電気が走るような痛みがある」といった症状が特徴で、見た目には分かりにくい病気です。
では、
「モートン病で足が腫れることはあるのか?」
という疑問に答えると、基本的には
モートン病そのものが直接、足の甲や指の見た目を大きく腫れさせることは少ない
とされています。
ただし、神経腫が進行して炎症が強まると、患部の組織がわずかに膨らんだり、押すと腫れているように感じるケースもあります。
また、長時間の歩行や締め付けの強い靴によって血流が悪化し、結果として「むくみ」や「腫れ」に似た状態になることもあります。
モートン病で腫れて見える原因
モートン病で腫れて見える原因についてです。
神経腫そのものの肥大
モートン病は「足趾間神経腫」とも呼ばれ、神経にコブのような腫瘤ができる状態です。
神経腫が大きくなると、周囲の組織を押し広げて「盛り上がり」や「腫れ」に似た感覚を引き起こすことがあります。
炎症による局所的な腫脹
長時間歩いたり、ヒールや先の細い靴で圧迫されることで炎症が悪化すると、局所的に赤みや熱感を伴い、腫れたように見えることがあります。
血流障害やむくみ
足の甲や指がむくみやすい人は、モートン病の痛みで歩き方が不自然になり、血流やリンパの流れが滞ることで腫れて見える場合があります。
この場合はモートン病そのものではなく、二次的なむくみです。
モートン病以外の病気の可能性
モートン病は腫れることは殆どありません。
足裏が腫れるのは、モートン病以外の病気の可能性があります。
痛風や高尿酸血症
親指の付け根に激しい腫れと赤みが出るのが特徴ですが、人によっては中足骨部にも症状が出ます。
モートン病と勘違いされやすい病気です。
関節リウマチや変形性関節症
足の指の関節が炎症を起こし、腫れて硬くなる病気です。
特に朝のこわばりを伴う場合はリウマチを疑う必要があります。
骨折や疲労骨折
激しい運動や長期間の負担によって中足骨にひびが入り、その部位が腫れて痛むことがあります。
腫れは危険なのか?
腫れそのものが即座に命に関わる危険を意味するわけではありませんが、注意すべき点はあります。
- 急激に腫れて赤みや熱を伴う場合:細菌感染や痛風発作の可能性があるため、早めの受診が必要です。
- 片足だけが異常に腫れる場合:深部静脈血栓症など循環器系の病気も考えられるため要注意です。
- 腫れとともにしびれや感覚麻痺が進んでいる場合:神経圧迫が強まり、回復に時間がかかる恐れがあります。
腫れを感じたときの対応方法
腫れを感じたときの対応方法についてです。
靴の見直し
ヒールや幅の狭い靴は足趾を圧迫し、炎症や腫れ感を悪化させます。
クッション性があり、つま先に余裕のある靴に切り替えることが重要です。
特にニューバランスなど横幅が広い靴は好まれる傾向にあります。
冷却と休養
炎症が強まって腫れたように感じる場合は、冷却(アイシング)が有効です。
痛みが落ち着くまで足を休めることも大切です。
足のマッサージやストレッチ
むくみによる腫れの場合は、ふくらはぎや足首のマッサージで血流を改善し、腫れを軽減することができます。
医療機関での治療
症状が続く場合は整形外科を受診します。
場合によってはブロック注射、薬物療法、手術といった治療が検討されます。
腫れを放置しないことの重要性
腫れがあるということは、何らかの炎症や血流障害が起こっているサインです。
軽度であれば日常生活の工夫で和らげられますが、強い腫れや長引く腫れは「モートン病以外の病気」のサインかもしれません。
特に、
- 突然の腫れ
- 発熱を伴う腫れ
- 片側だけ極端に腫れる
といった症状がある場合は、迷わず医師の診断を受けるべきです。
モートン病は基本的に「見た目の腫れ」が目立つ病気ではありません。
モートン病は基本的に「見た目の腫れ」が目立つ病気ではありません。
しかし、神経腫の肥大や炎症によって局所的に腫れて感じることはあります。
また、むくみや他の病気と重なった場合には腫れが明らかに見えるケースもあります。
腫れが軽度であれば靴の見直しや休養、冷却などで改善を目指せますが、強い腫れや赤み、熱感がある場合は早めの医療機関受診が必要です。
つまり、「モートン病で腫れることはあるが、強い腫れは危険なサインの可能性がある」と考え、放置せずに適切に対応することが大切です。