健康のためにウォーキングを続けている方も多いと思います。
ところが、ある時から足の指の付け根あたりに「ピリッ」とした痛みや「ジンジン」としたしびれを感じるようになり、病院で「モートン病」と診断されるケースがあります。
「私は歩きすぎたからモートン病になってしまった?」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際にはモートン病の原因は「歩きすぎ」そのものではありません。
大切なのは、歩き方にあります。
ここでは、モートン病の本当の原因と、歩き方を変えることで改善できる理由について、わかりやすくご説明していきます。
モートン病とはどんな病気?
モートン病は、足の指の付け根あたり、特に3本目と4本目の間にある神経が圧迫されることで起こる病気です。
症状としては、
- 歩いていると足指の付け根に痛みが走る
- 足の指の間がしびれる
- ピリピリ、ジンジンとした神経痛のような感覚がある
- 時には小石が靴の中に入っているような違和感を覚える
中高年の女性に多くみられるのは、足の構造や靴の履き方、そして長年の歩き方の癖が関係しています。
ウォーキングのしすぎが原因ではない理由
「モートン病になったのは、毎日のウォーキングのせいでは?」と思う方は多いです。
が、実際には「歩く量」よりも「歩き方」が大きな原因です。
健康のためのウォーキングは本来、とても良い習慣です。
歩くこと自体がモートン病を招くのではなく、足先に負担をかける歩き方をしているかどうかがポイントになります。
例えば、
- つま先で地面を蹴るような歩き方
- 足裏の前半分だけに体重をかける歩き方
- ヒール靴を履き続けてきた影響で、前足部に負担が集中している
こうした歩き方の癖があると、神経が圧迫され、モートン病の症状が出やすくなるのです。
モートン病を治すには「歩き方」を変えることが大切
モートン病を根本的に改善するには、薬や注射だけでは不十分です。
確かに薬やマッサージなどでは、一時的に痛みを和らげることはできますが、歩き方の癖を直さない限り、また再発してしまいます。
ポイントは、足裏全体をバランスよく使う歩き方に変えることです。
モートン病になる原因
多くのモートン病の方は「足先だけを使う歩き方」になっています。
足の指先や前足部に強い負担をかけて歩いているのです。
そのため、神経が圧迫され、痛みやしびれが出ます。
これを改善するには、かかとからしっかり着地し、土踏まずを通して足裏全体を地面に乗せ、最後に指先へと体重を移動させる「足裏全体を使った歩行」に変える必要があります。
歩き方を変えるとどうなるのか?
正しい歩き方に変えると、次のような変化が期待できます。
- 足先に集中していた負担が分散される
- 神経への圧迫が減り、炎症が落ち着く
- 痛みが徐々に軽くなっていく
- 神経腫(モートン病の原因となる腫れ)が自然に縮小する
実際に、歩き方を改善すれば、1ヵ月程度で痛みが和らぎ、半年ほどで神経腫が消失するケースも少なくありません。
50代・60代の女性が気をつけたいポイント
中高年の女性は、次のような理由でモートン病になりやすい傾向があります。
- 長年のヒールやパンプス生活で前足部に負担がかかっている
- 足のアーチが崩れてきている(加齢による筋力低下や靴の影響)
- 骨粗しょう症などで足の骨格が弱くなっている
- 健康のためのウォーキングで「歩数」ばかり意識してしまう
ですから、「もっと歩けば健康になれる」という考え方だけでなく、「どう歩くか」に目を向けることが重要です。
モートン病の原因は「ウォーキングのしすぎ」ではありません。
モートン病の原因は「ウォーキングのしすぎ」ではありません。
原因は、足先だけを使う誤った歩き方にあります。
そして、モートン病を根本的に治すには、薬や注射に頼るだけでなく、歩き方を変えることが欠かせません。
足裏全体を使った正しい歩き方に変えると、1ヵ月ほどで痛みは和らぎ、半年ほどで神経腫も消えていきます。
50代・60代からでも遅くありません。
むしろこの年代だからこそ、歩き方を見直すことは、モートン病の改善だけでなく、膝や腰の健康維持にもつながります。
「どれくらい歩くか」よりも「どう歩くか」。
ぜひ、歩き方を見直して、快適にウォーキングを続けられるようになってください。