モートン病(Morton’s neuroma)は、足の前側(前足部)で中足骨間神経が圧迫・刺激され、痛みやしびれを生じる状態です。

サポーターや中敷き・パッド類は痛みの軽減や炎症の悪化予防に役立つことがあります。

が、サポーターだけで完治しません。

モートン病の完治に必要なことや、治し方について解説します。

そもそもサポーターは何をしてくれるのか?

サポーターや補助具がモートン病に有効とされる理由は主に次の点です。

  • 圧迫の軽減・負荷分散:中足骨頭(前足部)への荷重を和らげ、神経が挟まれるストレスを減らす。
  • アーチサポート:縦アーチ・横アーチを補強して前足部への過剰な荷重を分散する。
  • クッション性・衝撃吸収:歩行時の衝撃を和らげ、神経の刺激を抑える。
  • 指間の保持(トーセパレーター等):指をわずかに開くことで中足骨間の空間を確保し、神経への圧迫を軽減する。

日本で手に入りやすい代表的なサポーター・関連グッズとその特徴

ここでは用途別に代表例を挙げ、なぜモートン病に有効と考えられるかを解説します。

製品名は類似品が多数あるため、購入時はサイズ・用途・レビュー等を確認してください。

1. ウェッジヒール・かかとを少し上げるタイプ(例:薄型ウェッジヒール)

特長

かかとをわずかに高くすることで前足部への荷重を後方へ逃がす構造。

薄型なら靴に入れやすい。

効果の理由

前足部(中足骨頭)への直接的な圧力が減るため、神経の挟まれやすさが軽減される。歩行時の衝撃分散にも寄与。

注意点

厚みが合わない靴では窮屈になったり、踵やアキレス腱に別の負担がかかる可能性があります。

2. アーチサポート付き中敷き(縦アーチ・横アーチ補強)

特長

土踏まずや横アーチを支える中敷き。既製のインソールやカスタムに近い高機能タイプまで様々。

効果の理由

扁平足や開張足などで前足部に荷重が集中している場合、アーチ保持により荷重を分散し、神経への負担を減らす。

注意点

靴との相性が重要。合わないインソールは逆に不快や痛みの原因になります。

3. 前足部クッション・シリコンパッド(中足骨頭用パッド)

特長

中足骨頭の底にクッションを当てるタイプ。貼付型や中敷きに内蔵するタイプがある。

効果の理由

歩行時に地面から受ける衝撃を吸収して神経刺激を緩和し、痛みを和らげる。

注意点

ずれると効果が落ちる。靴内でのスペースを確認しながら使う。

4. 指間を開くタイプ(トーセパレーター、足指ストレッチャー等)

特長

指同士の間隔を広げる器具や、指を伸ばすことで前足部の形状を整える製品。

効果の理由

中足骨間の空間を広げて神経の圧迫を緩和する効果が期待される。

特に指の付け根付近に痛みがある場合に有効。

注意点

靴の中で使えない製品も多く、家庭内での使用が中心。

長時間使用で疲労が出ることがある。

5. 外反母趾補正サポーター(補助的役割)

特長

親指の角度を補正するタイプ。前足部のアライメントに影響を与える。

効果の理由

外反母趾により前足部の負荷分配が悪化している場合、補正により間接的にモートン病の負担を減らす可能性がある。

ただし主目的は外反母趾の補正。

注意点

モートン病の直接的治療としては不十分なことが多い。

よくある製品カテゴリまとめ(購入時のチェックポイント)

  • ウェッジヒール/かかと挙上タイプ:前足部の荷重軽減が目的。靴の余裕を確認。
  • アーチサポート型インソール:足のアーチに合うか、靴との相性を確認。
  • 前足部パッド(シリコン等):衝撃吸収と圧迫軽減に有効。ずれに注意。
  • トーセパレーター・指間パッド:指間のスペースを作る。室内使用メインのものも多い。

サポーターはモートン病の改善には殆ど効果はなく、完治しない理由

サポーターは対症療法(痛みを和らげる・負担を減らす)であり、以下の理由で単独では根治が難しいです。

  1. 歩行・靴・姿勢などの根本要因が残る
    狭い靴・ヒール・悪い歩き方などを直さないと同じ部分に負担がかかり続ける。
  2. 進行した神経・繊維の構造変化は可逆性が低い
    炎症や神経の肥厚が進むと、単純なクッションやサポートでは戻せない。
  3. 活動量や職業での負荷が大きい場合
    仕事やスポーツで前足部を酷使する環境では、サポーターの効果を上回る負荷がかかることがある。

モートン病の改善には、サポーターを買う必要は殆どありません。

モートン病の痛み軽減には、ウェッジヒール・アーチサポート・前足部クッション・トーセパレーターなどのサポーター類が効果があると言われて販売されています。

ただし、これらはあくまで補助的な対症療法であり、モートン病の改善には殆ど効果はありません。

根本的な改善のためには歩行改善や靴の見直し、場合によっては医療的な処置の併用が必要です。