モートン病(Morton’s neuroma)は、足の指の付け根付近(特に第3–4中足骨間など)で通る神経が圧迫され、痛み・しびれ・灼熱感などを生じる疾患です。

足底挿板(インソール、オーソティック)は、保存療法の一つとして前足部の負荷を分散し、症状の軽減に寄与することが期待されます。

モートン病対策に適した挿板の例、購入場所、効果の有無、実際の改善例、購入時の注意点をまとめます。

1. おすすめの足底挿板・インソール(製品例と特徴)

「これを入れれば必ず治る」という製品はありません。

モートン病対策として設計上注目されるタイプは以下の通りです。

既製品で合わない場合は、カスタムオーソティックス(オーダーメイド)を検討してください。

・メタタルパッド付きインソール(中足骨頭部のクッション)

  • 前足部の荷重を分散し、中足骨頭間のスペースを確保する役割。
  • 位置調整が重要。ずれると逆効果になることがある。

・アーチサポート付きインソール(アーチを支えるタイプ)

  • 内側アーチ/外側アーチを安定させることで前足部への過剰負荷を軽減。
  • 全体の荷重バランスを整える目的で使われる。

・熱成形(カスタマイズ可能)インソール

  • 熱で自分の足形に馴染ませられるため、既製品よりフィット性が高い。
  • スポーツ用や日常用など素材や硬さの選択肢がある。

・カスタムオーソティックス(オーダーメイド)

  • 義肢装具士や専門クリニックで型取りして作る挿板。最も適合性が高い。
  • 症状や足形に合わせたパッド配置・サポート設計が可能。

2. どこで購入できるか(入手先)

  • スポーツ用品店/ランニング専門店:実際に試着できることが多く、スタッフが相談に乗ってくれる。
  • 靴専門店(ウォーキング・トレッキング系):フィッティングサービスがあり、靴と挿板の組合せを提案してくれる。
  • 整形外科・足専門クリニック・義肢装具事務所:カスタムオーソティックスの作製が可能。場合によっては保険適用になることもある。
  • オンライン通販(Amazon、楽天、Yahoo!等):既製品を手軽に購入可能。返品・試着ポリシーを確認すること。

3. 足底挿板はモートン病に効果がある?

挿板は理論的に前足部にかかる圧力を分散させ、神経への圧迫を和らげるため、痛みの軽減や日常生活の改善に有効であると報告されています。

ただし、効果は以下の要因で変わります。

  • 症状の進行度(初期ほど効果が出やすい傾向)
  • 挿板の設計とフィット性(既製品よりカスタムの方が合いやすい)
  • 靴との相性(挿板を入れても靴が窮屈だと効果が薄れる)
  • 歩き方や全身の重心バランスの影響(挿板単独では不十分な場合がある)

結論として、足底挿板は保存療法の有用な一要素であり、特に早期のモートン病や中等度の症例で痛み軽減や手術回避に寄与する可能性が高いです。

ただし、根本的な原因が足底挿板によって解消されるわけではないので、あくまでも一時的な対処になります。

4. 「挿板で治った」という実例はある?

臨床報告や症例では、インソール+靴の変更+理学療法などの保存療法の組合せで症状が消失し、日常生活に支障がなくなった例が多数報告されています。

特に神経の変性が少ない早期例では、長期間症状が出ない状態になったケースもあります。

ただし、

  • 「神経腫が完全に消滅した」という明確な報告は限定的であること
  • 進行・慢性例では挿板のみで改善が不十分な場合があること

を踏まえ、「症状がほぼ消失する(=臨床的に『治った』と感じられる)例はあるが、病変そのものの完全な解消を意味するとは限らない」と理解してください。

足底挿板はあくまでも、進行を遅らせるだけで、根本的な原因がなくならない限り、モートン病は進行します。

5. 購入時に気を付けること(チェックリスト)

  • 適合性(フィット):幅・アーチ高さ・前足部形状に合うか。試着できる製品を優先。
  • 中足骨頭(メタタル)パッドの位置:痛み部位に対してパッド位置が適切か確認。
  • 素材と硬さ:硬すぎると支持は得られるが局所圧を残すことがある。柔らかすぎると支持不足に。
  • 靴との相性:挿板を入れた状態で靴が窮屈にならないか。
  • 段階的な慣らし:初回から長時間使用せず、短時間から徐々に慣らす。
  • 返品・調整対応:試着後返品や調整が可能か、またアフターケアはあるか確認。
  • 専門家の関与:整形外科医、義肢装具士、理学療法士などと相談のうえで選ぶと安全・確実。

6. 実際に購入する際のおすすめの流れ

  1. まずは整形外科や足専門クリニックで診断を受け、モートン病の程度を確認する。
  2. 靴や歩行の問題を同時に評価してもらう(歩行解析・理学療法アドバイスなど)。
  3. 既製のメタタルパッド付きインソールやアーチサポートを試着してみる。
  4. 既製品で満足できなければ、義肢装具士や専門店でカスタムオーソティックスの作製を検討する。
  5. 挿板を入れた状態で実際に歩行して違和感や痛みの変化を確認し、必要なら調整を行う。

7. 足底挿板は、モートン病の保存療法として有効な選択肢の一つ

足底挿板は、モートン病の保存療法として有効な選択肢の一つです。

早期の症例や、適切な設計・フィットが得られれば痛みの改善や手術回避が期待できます。

モートン病の根本的な原因を改善しなければ、挿板だけでは完治には至りません。