モートン病(Morton’s neuroma)は、足の指の間にある神経が圧迫されることで、痛みやしびれ、灼熱感などの症状を引き起こす疾患です。
特に中指と薬指の間に多く見られます。
保存療法としては、インソールや靴の調整、薬物療法、運動療法などが提案されています。
近年の研究では、筋力トレーニングやマッサージ、ストレッチよりも、歩行改善が最も効果的であるとされています。
筋力トレーニング、マッサージ、ストレッチの効果と限界
筋力トレーニング
モートン病の患者では、足指の筋力低下が見られることがあります。
特に、浮き指や開帳足など、足のアーチが崩れることで神経への圧迫が増加し、症状が悪化する可能性があります。
筋力トレーニングは、これらの筋力を強化し、足のアーチをサポートすることで、症状の改善が期待されます。
しかし、筋力トレーニング単独では、神経の圧迫を直接的に解消することは難しく、症状の完全な改善には限界があります。
マッサージ
マッサージは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、痛みの軽減が期待されます。
しかし、モートン病の原因が神経の圧迫であるため、マッサージだけでは神経への圧迫を解消することはできません。
ストレッチ
ストレッチは、筋肉の柔軟性を向上させ、関節の可動域を広げることで、痛みの軽減が期待されます。
しかし、モートン病の原因が神経の圧迫であるため、ストレッチだけでは神経への圧迫を解消することはできません。
歩行改善の重要性とその効果
歩行は、足部の機能を最も直接的に評価できる動作であり、モートン病の症状を改善するためには、歩行の改善が最も効果的であるとされています。
痛む部分に体重を乗せない
モートン病になる方は、上半身の重心バランスが崩れています。
そのため、前足に体重が掛かる状態になっています。
上半身の重心バランスが崩れている(=姿勢のバランスが悪い人)は、珍しくありません。
モートン病になる方は、さらに歩行時に問題があります。
地面を打ち付ける歩き方
前足に体重が乗った状態で、地面を打ち付けるような歩き方をしていると、今、足が痛い部分に炎症ができていきます。
この炎症が慢性化すると神経腫が形成され、継続的な痛みが発生します。
重心バランスが悪い人は多数いますが、地面を打ち付けるような歩き方をしているか、していないか?でモートン病になるか、ならないか?が分かれます。
重心バランスと歩き方の変更で改善する
モートン病は、歩く度に重症化していきます。
ですが、上半身のバランスを整え、歩き方を変えると、1ヵ月程度で症状の改善が期待されます。
モートン病の運動療法で効果的な方法は、歩行改善
モートン病の保存療法としては、筋力トレーニング、マッサージ、ストレッチなどが提案されていますが、これらは神経の圧迫を直接的に解消するものではありません。
最も効果的な方法は、歩行改善を中心としたリハビリテーションです。
正しい歩き方をすることで、足部のアーチの再構築や歩行パターンの改善、打ち付けるクセが解消されます。
症状の改善と再発の予防のためには、専門家の指導のもとでの歩行改善が最も効果的であると言えるでしょう。