モートン病(Morton’s neuroma)は、足の指の付け根にある神経が圧迫され、炎症や腫れが生じることで痛みを感じる疾患です。
特に第3趾(中指)と第4趾(薬指)の間に発生することが多く、歩行時や長時間の立ち仕事の際に痛みやしびれが強くなるのが特徴です。
「足の裏に小石が入っているような感覚」
「焼けつくような痛み」
「チクチクと針で刺されるような感覚」
など、人によって症状の表現はさまざまですが、日常生活に大きな支障をきたすことは共通しています。
「モートン病は治るのか?」
「モートン病を治すにはどうしたらいいのか?」
「モートン病はどうやって治すのか?」
について解説します。
原因
モートン病の主な原因は、足の神経への圧迫です。
一般的には、以下のような要因が挙げられます。
- 足先に体重が乗る靴(特に先の細い靴やヒール)
- 足のアーチの崩れ(過剰回内)
- 長時間の立ち仕事や歩行
- 体重の増加
このような要因が重なることで、足の中足骨と呼ばれる骨の間を通る神経が圧迫され、モートン病が発症します。
現在言われている原因
最近の研究では、歩き方のクセが大きな原因とされています。
モートン病の方は、上半身の重心バランスの崩れから「つま先に体重をかける歩き方」になっています。
さらに、体重が乗った状態で、足指のつけ根付近で「地面を打ち付けるような歩き方」をしています。
そのために、「歩く度に」神経を圧迫し、神経腫が出来るということが判明しています。
一般的な治療法——保存療法と手術療法
モートン病の治療は、まず痛みを軽減する保存療法から始めるのが一般的です。
保存療法
- インソール(足底板)の使用:足のアーチを支えるためのインソールを装着し、神経への圧迫を軽減します。
- 靴の見直し:つま先が広く、ヒールの低い靴への変更が推奨されます。
- ストレッチやマッサージ:足底の筋肉を緩め、血行を促進することで症状が緩和されることがあります。
- 薬物療法:炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが処方されることもあります。
手術療法
- 神経の圧迫を取り除く手術
- 腫瘍化した神経の切除
手術により痛みが改善するケースもありますが、再発の可能性や感覚麻痺などの後遺症も報告されています。
そのため、できる限り保存療法での改善が望ましいとされています。
さらに、保存療法も手術治療も、原因である歩き方の不具合は改善されません。
なので、両方とも歩行改善しない限り、モートン病は再発します。
新アプローチ、歩行改善
ここ数年で注目を集めているのが、歩行時の重心移動の不具合に着目した歩行改善というアプローチです。
歩行改善といっても、モートン病でない普通の人がしている歩き方に戻すということです。
足裏にかかる圧力の分散と、自然な体重移動を促すことで、モートン病の原因となる神経圧迫を軽減し、半年程度で完治する実績が多数出ています。
「歩き方改善」で症状が軽くなる人が増えている
2025年現在、整形外科や理学療法の分野でも、「歩き方の改善による機能的アプローチ」が注目されています。
歩き方の改善でモートン病のケアを行う治療院も増えてきています。
実際にモートン病で悩んでいた人の中には、
- 「靴を変えてもダメだったのに、歩き方を変えただけで痛みが軽くなった」
- 「テーピングを長く続けていたけれど改善しなかったのに、歩けるようになった」
- 「インソールが効かなかったけど、歩行改善で再発しなくなった」
といった声も多く聞かれます。
ポイントは、「歩く時間をリハビリ時間に変える」という意識で、日常生活の中に自然に取り入れること。
歩行改善は、特別な器具も時間も必要なく、効果が期待できる方法として、多くの人に希望を与えています。
モートン病は治らない病気ではない
モートン病は、神経が完全に破壊されるような状態でなければ、正しいケアと歩き方の見直しで改善できる疾患です。
痛みを抑える対症療法だけではなく、「なぜ神経に負担がかかっているのか?」という根本原因を見直すことが重要です。
その答えとして、歩行改善は、再発予防まで見据えた画期的なアプローチです。
一般的な整形外科に通っていると、痛みの改善がなく「モートン病は治るのか?」と不安になると思います。
しかし、現代では「体の使い方」「足の使い方」を見直すことで、半年程度で完できる時代になっています。