「足の裏がジンジンする」
「中足部に焼けるような痛みがある」
「歩くと足の指の間がしびれてつらい」
・・・このような症状に悩まされている方は少なくありません。
これらの症状は、足の神経が圧迫されて起こる「モートン病」に典型的なもので、特に40〜60代の女性に多く見られます。
モートン病は、医学的には「中足骨間神経腫」とも呼ばれ、第3・第4中足骨(足の指の付け根)間で神経が圧迫されることで発症します。
その原因は多岐に渡りますが、もっとも注目すべきは「歩き方」にあります。
結論から言えば、「歩行改善によってモートン病の症状を緩和・解消することは十分可能」です。
モートン病の主な原因
モートン病の原因は、医学的には以下のように説明されます。
足先にかかる圧力
ハイヒールや細身の靴など、足先が圧迫される靴を履くことで神経に負担がかかる。
横アーチの崩れ
足の横アーチが崩れることで、中足骨間に余計な圧力がかかる。
繰り返される衝撃や摩擦
つま先を地面に打ち付けるような歩き方によって神経が繰り返し刺激される。
なぜ歩行改善が有効なのか?
足のアーチ(縦・横・内側・外側の4つのアーチ)は、歩くときに地面からの衝撃を吸収し、効率よく力を伝えるための構造です。
しかし、モートン病になる方は、体のバランス・姿勢の不均衡から、足が過剰回内になり、このアーチが崩れています。
そのため、神経部分への圧迫を招きやすい土壌になっています。
以下のような歩行習慣はモートン病を悪化させるリスクがあります。
- かかとを使わず、つま先寄りで歩く
- 足の先に体重をかけすぎる
- 地面を蹴る歩き方をしている
正しい歩行習慣を身につければ、足全体にかかる圧力が分散され、中足部への負担を軽減できます。
結果として神経への圧迫が減り、モートン病の症状が改善します。
歩行改善のための実践的アプローチ
歩行を改善するといっても、単に「意識して歩く」というだけでは不十分です。
ポイントは、足の構造に即した動き方を習慣化することです。
上半身のバランスを整え、重心の偏りを無くす
足先に体重が乗るのは、体の重心がズレているために起こります。
まずは、重心がどこにあるか?を確認し、正しいバランスに戻すことが重要です。
足全体で体重を支える
上半身の重心のバランス崩れで、足先に体重が過剰に乗っています。
この状態を姿勢改善で、解消します。
足先に体重が乗っているのを、かかと、足の外側、足先の3点でしっかり地面をとらえ、荷重を分散させましょう。
地面を打ち付ける歩き方のクセ改善
体重が乗った状態で、地面を打ち付ける歩き方をしているために、神経への打撃が歩く度に加えられます。
これが加齢と共にモートン病になる流れです。
今までの打撃の蓄積が限界を迎えるとモートン病になります。
足を地面に打ち付ける歩き方のクセを改善しましょう。
医療とセルフケアのバランス
神経腫が肥大していたり、日常生活に支障が出ているほど痛みが強い場合は、病院での診断や治療(ステロイド注射・手術)も視野に入れる必要があります。
モートン病を自分で治すには、歩行改善
モートン病は、「単なる神経の病気」ではなく、「足の使い方の歪みによって生じる症状」です。
薬や一時的な処置だけでなく、「体の使い方」を変えることで再発防止が可能です。
逆にいうと、ブロック注射や痛み止め、手術で神経腫の摘出などを行っても、歩き方が変わってないと再発します。
長年染みついた体のクセを直すのは大変ですが、歩き方を変えると、痛みは1ヵ月程度、神経腫は半年で消失します。
歩行指導のある整形外科か、モートン病を改善した実績のある専門院で指導を受けましょう。