足の裏、とくに中指や薬指の付け根あたりにズキズキする痛みやしびれを感じる「モートン病」。

多くの方が、足裏の血流改善やマッサージ効果を期待して「青竹踏み」を試してみようと考えたことがあるのではないでしょうか。

実際、青竹踏みは足裏マッサージや疲労回復に使われる健康グッズとして広く知られています。

モートン病に、青竹踏みは効果あるのか、無いのか?モートン病を治すにはどうしたら良いのか?について説明します。

モートン病とはどんな病気か?

モートン病(モートン神経腫)は、足の中指と薬指、または薬指と小指の付け根部分(中足骨の間)にある神経が圧迫されて炎症を起こし、痛みやしびれを引き起こす病気です。

正式名称は「Morton’s neuroma」で、神経腫と呼ばれるしこりのようなものが神経の周囲にできることが特徴です。

発症しやすいのは以下のような人です。

  • ヒールやパンプスなど、つま先が細く前足部に負担をかける靴を履く女性
  • 長時間立ち仕事をしている人
  • マラソンやジョギングなど、前足部に負担をかける運動をしている人

足裏の痛みやしびれ、特に「ピキッ」とする感覚や電気が走るような痛みが特徴で、歩くたびに症状が強くなることもあります。

モートン病の本当の原因は、重心バランスの崩れと歩き方

モートン病は「神経が圧迫される」ことが直接の原因ですが、その背景には上半身の重心バランスの崩れがあります。

重心が前側に偏ることで、前足部に過剰な体重がかかる状態が長く続き、その状態で地面を打ち付けるような歩き方をしていると、足の前方部(中足骨周囲)が慢性的にストレスを受けます。

その結果、足裏の神経周囲に炎症が生じ、神経腫(しこりのようなもの)が形成されて痛みが発生するのです。

つまり、モートン病の痛みは単なる疲労や血流不良ではなく、重心の乱れ+不適切な歩行習慣によって引き起こされる「慢性的な炎症疾患」です。

青竹踏みとは何か?

青竹踏みとは、竹を半割にしたような形の器具や、それに類似したプラスチック製の健康器具の上に足裏を乗せ、踏みながら刺激する健康法です。

足裏にあるツボや筋膜を刺激することで、血流促進・疲労回復・冷えやむくみ改善などが期待できるといわれています。

昔から「足裏マッサージの定番」として家庭に普及してきました。

青竹踏みの主な効果とされるもの

青竹踏みの主な効果とされる内容です。

  • 足裏の血流促進
  • 足の筋肉や腱の柔軟性向上
  • 自律神経を整える効果(とされている)
  • 足の疲労感・冷え・むくみの軽減

このように青竹踏みは一般的に「足の健康グッズ」として知られていますが、モートン病の根本的な治療になるかどうかは別問題です。

モートン病に青竹踏みは効果があるのか?

結論から言えば、モートン病を治すのに青竹踏みは効果がありません

その理由を詳しく見ていきましょう。

理由1:原因が血流不良ではない

青竹踏みは足裏の血流改善や筋膜刺激には役立ちますが、モートン病の痛みの主因は血流不良ではなく神経への圧迫と炎症です。

血流を改善したところで、神経が圧迫されている状態や神経腫がある状態を解消することはできません。

理由2:刺激が逆効果になる可能性

神経が炎症を起こしている状態で、青竹踏みのような強い刺激を加えると、かえって神経への負担が増し、痛みが悪化するリスクがあります。

特にモートン病の急性期(痛みが強い時期)には、圧迫や刺激を避けることが基本です。

理由3:重心バランスと歩き方の改善にはならない

モートン病の根本原因は、上半身の重心バランスの崩れ+地面を打ち付けるような歩き方です。

青竹踏みは足裏を刺激するだけで、重心バランスや歩き方の改善にはつながりません。

そのため、仮に一時的に血流がよくなっても、根本的な解決にはならないのです。

ではどうすればいいのか?根本改善のポイント

モートン病を根本的に改善するためには、以下のような対策が必要です。

歩行改善

かかとから柔らかく着地して重心移動を整える「ゆるかかと歩き」など、前足部への負担を減らす歩き方に変えることが重要です。

靴選びの見直し

つま先が広くクッション性のある靴を選ぶことで、神経への圧迫を減らします。

インソールの活用

中足骨部への圧迫を緩和するオーダーメイドインソールは、負担軽減に効果的です。

専門医の受診

整形外科や足専門外来で正確な診断を受け、症状に応じた治療(薬、注射、リハビリなど)を行うことが必要です。

青竹踏みはモートン病の根本治療にはならない

モートン病は、上半身の重心バランスが崩れ、前足部に過剰な体重がかかる状態で、地面を打ち付けるような歩き方をすることによって炎症が生じ、神経腫が形成され痛みが発生する病気です。

青竹踏みは足裏の血流促進や疲労回復には役立ちますが、モートン病の根本的な原因である重心バランスや歩行の問題を解決することはできません。

むしろ、炎症期に行うと症状を悪化させるリスクもあります。

モートン病を治すのに青竹踏みは効果ありません。

痛みを和らげたい場合は、まず患部を冷やす、そして根本的な歩行改善を行うことが大切です。

青竹踏みはあくまで健康グッズの一つであり、モートン病の治療法としては推奨されません。