モートン病(モートン神経腫)は、足の中指と薬指の間にある神経が圧迫され、炎症や神経腫を形成することで痛みやしびれを引き起こす病気です。
特に、つま先に体重がかかる歩き方やハイヒールの使用、足の横アーチが崩れている人に起こりやすいとされています。
では、このモートン病は「外見」から診断できるのでしょうか?
見た目だけでの診断は難しい
結論から言うと、モートン病は「見た目だけで確実に判断することは難しい」病気です。
骨折や外傷のように明らかな腫れや変形が生じるわけではなく、多くの場合は足の外観に大きな異常が出ないためです。
初期の段階では特に、足を見ても外見上の変化はほとんど確認できません。
見た目で分かる場合もある
ただし、症状が進行している場合や体質的にアーチの崩れが強い場合には、以下のような「見た目のサイン」が確認できることがあります。
開張足(横アーチの低下)
開帳足とは、足の横幅が広がってしまい、つま先の部分が横に扇状に広がるように見える状態です。
モートン病の背景にはこの開張足が関わっていることが多く、足の形の変化として目視可能です。
ただし、開帳足だからといってモートン病である、ということにはなりません。
足の中指や薬指の付け根にタコや胼胝(べんち)
前足部に強い圧がかかるため、皮膚に硬い角質ができやすくなります。
これもモートン病の可能性を示すサインとなり得ます。
腫れや軽度のふくらみ
神経が炎症を起こし腫れることで、足の特定の部分にわずかな膨らみを生じることがあります。
ただし肉眼ではほとんど目立たないことが多いです。
見た目だけでは判断できない理由
モートン病を見た目で判断するのが難しい理由には、以下のような点があります。
神経の病変は内部で起こるため外に現れにくい
モートン病は神経の炎症や腫れが原因であり、骨や皮膚の大きな変形を伴わないため、外観に明らかな異常が出にくいです。
症状は痛みやしびれが主体
見た目よりも「体感する症状」で診断されることが多く、問診や触診が重要となります。
他の疾患との区別がつきにくい
足のタコや胼胝はモートン病以外の人にもできるため、それだけで判断することはできません。
医師による診断の流れ
モートン病の診断は、見た目の観察に加えて以下の方法を組み合わせて行います。
問診
「歩くときにつま先の付け根が痛い」「中指と薬指の間にしびれがある」といった症状の有無を確認します。
触診(Mulder’s sign)
足をつまんで横から圧迫しながら足指を動かすと、「ピキッ」とした電気が走るような痛みやしびれが誘発されます。
これがモートン病の特徴的な所見です。
画像検査
MRIやエコーで神経腫の有無を確認することがあります。
外見では判断できない内部の状態を可視化することで、確定診断が可能となります。
自分で気づくためのポイント
見た目だけで断定はできませんが、自分で「モートン病かもしれない」と気づくヒントはあります。
代表的な自覚症状
- 歩くと中指・薬指の付け根に痛みが走る
- つま先がしびれる、ジンジンする
- 足を強く押すと電気が走るような違和感がある
- 幅の狭い靴を履くと症状が悪化する
モートン病は、基本的に「見た目だけで判断することは難しい病気」
モートン病は、基本的に「見た目だけで判断することは難しい病気」です。
ただし、開張足や足底のタコ、軽度の腫れといった外見上の変化が見られることもあります。
確定的な診断には問診、触診、画像検査が必要となります。
もし自分で「足の指の間がしびれる」「付け根が痛い」といった症状に気づいた場合には、整形外科や足の専門クリニックを受診し、早期に適切な対応を受けることが重要です。