外反母趾モートン病は、いずれも足のトラブルとしてよく知られている疾患です。

しかし、見た目の症状や痛みの出る場所が違うため、まったく別の病気のように捉えられがちです。

実際には、この二つの疾患は根本的な原因に共通点があります。

共通する原因 ― 重心バランスの崩れ

外反母趾もモートン病も、その背景には 上半身の重心バランスの崩れ があります。

体の中心がずれることで、足裏への体重分散が不均等になり、特定の部位に大きな負担がかかります。

本来であれば、かかとから母趾球、小趾球といった三点でバランスよく体重を支えるのが理想です。

しかし、重心が前方や片側に偏ると、足指の付け根で過剰に地面を蹴り出す歩き方になってしまいます。

この「体重が乗った状態で前足部を強く蹴り出す歩行」が、外反母趾とモートン病、両方の発症の根本要因となっているのです。

外反母趾の特徴

外反母趾は、足の親指(母趾)の付け根に変形が生じる疾患です。

母趾が人差し指側へと傾き、関節の内側が突出して痛みや腫れを伴います。

なぜ母趾に集中するのかというと、蹴り出しの際に母趾の周辺で体重を支えようとする歩き方 が習慣化しているためです。

重心が前方にずれた状態で母趾に負担が集中し、徐々に関節に変形が起こり、外反母趾へと進行していきます。

モートン病の特徴

一方でモートン病は、足の指の間、特に 第三趾と第四趾の間 に痛みやしびれを感じるのが特徴です。

神経が圧迫され、神経腫と呼ばれる状態になることもあります。

この疾患が発生する背景には、第三趾や第四趾の付け根で強く蹴り出して歩く習慣 があります。

本来なら母趾を中心に安定して蹴り出すのが自然ですが、重心の崩れによって中足部の指に余計な負担がかかり、結果としてモートン病が起きるのです。

違いのまとめ

  • 外反母趾
    母趾(親指)の付け根で蹴り出す歩き方が原因。関節の変形と突出が主な症状。
  • モートン病
    第三趾・第四趾付近で蹴り出す歩き方が原因。神経が圧迫され、しびれや鋭い痛みが出る。

どちらも根本には「上半身の重心バランス崩れ」と「不自然な蹴り出し歩行」が存在しますが、発症部位が異なることで症状の現れ方が変わります。

外反母趾とモートン病は一見するとまったく違う病気のようですが、原因は共通

外反母趾とモートン病は一見するとまったく違う病気のようですが、原因は共通しています。

両者の違いは「どの指で地面を蹴り出しているか」によって決まるのです。

つまり、根本的に解決するためには、薬や手術といった対症療法だけでなく、上半身の重心バランスを整え、正しい歩行を身につけること が不可欠といえます。

モートン病と外反母趾を同時に発症してる方も多いです。

歩行改善に取り組むと、モートン病も外反母趾も半年程度で解消する症状です。